- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591172513
作品紹介・あらすじ
全寮制男子高で起こった、不可解な殺人事件。
同室の迷コンビが挑む、青春ミステリー!
全寮制男子校である霧森学院の旧寮「あすなろ館」。
昨年起きた“ある事件”のせいでほとんどの生徒が新寮に移ってしまい、今はたった6人の生徒しか入居していない。
あすなろ館の住人の一人・兎川雛太(とがわ・ひなた)が2年に進級した始業式前日、新たな入居者がやってきた。今年度から学院に編入してきた鷹宮絵愛(たかみや・エチカ)。彼は動物にしか心を開いていない変人だが、優れた頭脳の持ち主だった。奇しくも同室になった二人は、最初は反発するも次第にお互いを知っていく――。
しかし、ある日、あすなろ館に向かう遊歩道の途中にある東屋で、学内で絶対的な権力を持つ生徒会長の湖城龍一郎が何者かに殺害された。現場の状況から、犯行が可能なのはあすなろ館の住人だけである。
転入生のエチカは湖城から目を付けられていたため、犯人の最有力とされてしまう。雛太はエチカの嫌疑を晴らすため、捜査を始めるが――!?
予想外の結末に驚愕する!
注目の若手作家がおくる、学園ミステリ。
感想・レビュー・書評
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「鷹宮絵愛は『エッチ先輩』になってまうんやないか」
「それでいいですよ」
「ええんかい」
p29より引用
本作『ルームメイトと謎解きを』の概要と感想です。
埼玉の高地に建つ霧森学院は全寮制の男子校で、生徒の大半が新館の寮に入居する中、北側にポツンと残された古風な寮『あすなろ館』に住む8人の男子高校生は、とある殺人事件の容疑者として警察に睨まれる。
転入してきた高身長の絵愛(えちか)と相部屋になった高校2年の雛太(ひなた)は後輩から『ヒナ先輩』と可愛がられ、絵愛との距離感を縮めようにも掴みきれずにいたが、事件を通して互いの友情は育まれ…。
いやぁ〜、ちょっとしたBL感を漂わせる本作、意外な推理展開まで含めて楽しませて頂きました♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった!!
学園ミステリで本格度高めのミステリ
シリーズ化と映像化してもらいたい作品です!
真面目で情熱的なヒナと頭脳明晰、でも動物にしか心を開いていないエチカの友情がよかったです。
また描写が素敵で作品の世界観に浸れました。青春ってキラキラしてますね
ミステリとしても学園ものとしても楽しめる作品です
散りばめられていた伏線が結構あったのに気づけなかった笑 -
私がもうお年を召した初老なので、最近の男子学生ってこんなに可愛らしい感じなのかと青春のきらめきとか思ってしまった。
日常ミステリー物だと思っていたら結構陰惨な方法で人殺し起きててビックリした。探偵の謎解きが本当にわかりやすくて、納得。
シリーズになるのかしら。次作も楽しみです -
普通に面白かったw
全寮制の男子校で起こる事件を、解決していく話ですかね。
うわっ!騙された!やられた!
ってゆーよりは、この青春雰囲気ってゆーか、登場人物のキャラが好きです。シリーズ化してる?してなかったらシリーズ化希望です! -
全寮制男子高校で起きる事件、そして高校生のバディ物、面白そうじゃん。軽くサクッと読めた。
ただ雛太の性格が…小柄でどちらかというとかわいらしい容姿なのに男っぽいしゃべり方など、なんか無理して作ったキャラっぽくていまいちだったかな。エチカも変人てほど変人じゃなくて、いまいち魅力がわからなかった。 -
他の方々も感想で触れてらっしゃいますが、日常謎系かと思いきや、、、殺人事件おきちゃいます。
学生寮を経験してないんですけど、主人公たちをみてると楽しそうでした。
あと、主人公の雛太がキラキラすぎて眩しい!!!
絶対いい子やん〜♡
本もとても読みやすく、ミステリーが苦手な方でも楽しめる作品だと思います!!! -
全寮制男子校である霧森学院の旧寮・あすなろ館。ある事件により、ほとんどの生徒は新寮へ移っていた。あすなろ館の住人である雛太の部屋に入居した転入生・鷹宮絵愛(エチカ)。彼らは過去の事件と現在の殺人の謎を追い始めるが──。
学園内で起きた殺人!犯行が可能だったのは、あすなろ館の9名だけだった?!身近な相手が人殺しかもしれない。そんな疑心暗鬼の中で、同室になったエチカの無実を信じる雛太がカッコいい。動物にしか心を開いてないエチカと距離を縮めていく姿が青春の香り!思わずニヤニヤ眺めてしまう。
疑心暗鬼で閉塞的な学園の檻を崩していくような消去法の推理劇が面白かった。証言や証拠から真実を丁寧に削り出していく工程がドキドキする。そして、真相を探ることに否定的だったエチカが雛太のために推理するというのも熱い。信じるという青臭い台詞がキラキラと光る青春ミステリだった。
それにしても、なんか思わせぶりなかけ合いが多くてちょっと戸惑う。そういう層を狙ってるってことだよね?
「なあ、エチカ」
「なんだ」
「真っ暗に、していいか」
「……好きにしろ」
「鷹宮くんとは、一緒に寝たの」
意味深!!まあ、そういう関係性ではないんだけど、ほんのり匂わせてくるなあ。最初、エチカは実は女?!とか考えていた時期もありました(笑)
ぼくは☆3.5くらいで、キャラが好きとか、ロジカルな推理劇が好きなどハマる人なら☆4かなと。 -
Amazonの紹介より
全寮制男子校である霧森学院の旧寮「あすなろ館」。
昨年起きた“ある事件”のせいでほとんどの生徒が新寮に移ってしまい、今はたった6人の生徒しか入居していない。
あすなろ館の住人の一人・兎川雛太(とがわ・ひなた)が2年に進級した始業式前日、新たな入居者がやってきた。今年度から学院に編入してきた鷹宮絵愛(たかみや・エチカ)。彼は動物にしか心を開いていない変人だが、優れた頭脳の持ち主だった。奇しくも同室になった二人は、最初は反発するも次第にお互いを知っていく――。
しかし、ある日、あすなろ館に向かう遊歩道の途中にある東屋で、学内で絶対的な権力を持つ生徒会長の湖城龍一郎が何者かに殺害された。現場の状況から、犯行が可能なのはあすなろ館の住人だけである。
転入生のエチカは湖城から目を付けられていたため、犯人の最有力とされてしまう。雛太はエチカの嫌疑を晴らすため、捜査を始めるが――!?
楠谷さんの作品は初めてでしたが、面白かったです。正直あまり期待せずに読んでいたので、意外と本格的なミステリーだったり、意外な犯人だったりと今後の作品に期待が高まりました。
序盤では、ミステリー要素ゼロで、普通に学園青春モノとして、全然楽しめます。全寮制で途中から入学してきた絵愛や寮の中での面々など面白い学校生活の始まりといった雰囲気だったのですが、生徒会長の出現から一変。
いじめや嫌がらせといった不穏な空気へと変わり、そして生徒会長が殺される。状況から、犯人はあすなろ荘の人⁉︎といった展開に最初の雰囲気とガラリと変わったので、その空気感が堪らなかったです。
絵愛と雄太のコンビで、事件を推理して、最後に絵愛が発表していくのですが、その手法は一つずつ消去法で犯人を特定していくやり方です。
この手法は青崎有吾さんの「体育館の殺人」の作品が思い出されますが、こちらも絵愛が推理していきます。生物には可愛く接し、人間には寡黙に振る舞うキャラクターですが、推理を披露する姿はまぁカッコ良かったです。
閉ざされた空間で、どう犯人を決めていくのか?
自分も誰なのか推理していましたが、見事に外れました。犯人も意外で、面白かったです。動機は後回しで、どうやって犯行に及んだのか、しっかりと状況を説明しながらなので、納得感もありました。
全然ミステリー抜きで、青春学園モノとしても面白そうなので、続編を読んでみたいです。