- Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591174005
作品紹介・あらすじ
子ども時代を、子ども目線でえがく。
益田ミリ、4年半ぶりの書き下ろしエッセイ。
幼い頃、胸に抱いた繊細な気持ちを、丁寧に、みずみずしくつづります。「入学式に行きたくない」「線香花火」「キンモクセイ」「サンタさんの家」など、四季を感じるエピソードも収録。かけがえのない一瞬を切り取った、宝物のような春夏秋冬。38点の描き下ろしカラーイラストも掲載。
「おとなになると今日のことを忘れてしまうのかな。そうだとしたら、すごくいやだ。こどもの頃のわたしは、いつもそんなふうに思っていたんです。」(「はじめに」より抜粋)
「こども時代は本当に短いものです。長い人生のほんのひととき。なのにプリンのカラメルソースみたいに他の部分とはちがう特別な存在です。人がいきなりおとなに生まれるのだとしたら味気ないに違いありません。」(「おわりに」より抜粋)
――目次抜粋――
【春】
入学式に行きたくない/四葉のクローバー/仲良しのひらがな/横断歩道のじごく/絵具をまぜてごらん/おへその心配/かわいい妹/「ん」がつく言葉/熱が出た/ずっときゅうけい/カスタネット
【夏】
水たまり/救急車/学校のトイレ/ピアノをひいた!/たからもの/金魚さん/カミナリ/プール/ねこふんじゃった/うちとちがう/線香花火/わたがし
【秋】
夏休みが終わって/小さいわたし/はんたい言葉/土のうさぎ/魚つり/お金のチョコレート/キンモクセイ/転校生/ふたつのおしゃべり
【冬】
サンタさんの家/ほうたい/お正月/たこあげ/わたしの雲/校長先生/ひみつのドッヂボール/帰ってきたクリン/春がくる
益田ミリ(ますだ みり)
1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書にエッセイ『おとな小学生』(ポプラ社)、『しあわせしりとり』(ミシマ社)、『永遠のおでかけ』(毎日新聞出版)、『小さいコトが気になります』(筑摩書房)他、漫画『すーちゃん』(幻冬舎)、『沢村さん家のこんな毎日』(文藝春秋)、『マリコ、うまくいくよ』(新潮社)、『ミウラさんの友達』(マガジンハウス)、『泣き虫チエ子さん』(集英社)、『お茶の時間』(講談社)、『こはる日記』(KADOKAWA)他、絵本『はやくはやくっていわないで』(ミシマ社、絵・平澤一平)などがある。
感想・レビュー・書評
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子どもの目線を覚えて
ますか?
小さな体で見た大きな
世界。
幼かった日々を追体験
しているようで、
ココロが何度もギュッ
となりました。
長い人生のほんの一時。
でもプリンのカラメル
ソースみたいに、
他の部分とは全然違う
子ども時代。
いきなり大人に生まれ
たら、
カラメルソースなしの
人生だったら、
その人生はきっと味気
ないですよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小学1年生の春夏秋冬という設定。
そのころの出来事や、その時に思っていたこと。
男女の違いはあっても、子供の頃はこんな感じだったと懐かしい記憶が蘇る。
ただし「小学1年生の時」だとは、はっきりと覚えていない。
いくつかの話から蘇ってきた、似たような自分の思い出を紹介。(本書はこんな感じということで…)
12色の色鉛筆セットを持っていったら、24色のを持ってきた子がいて凄く欲しいなと思ったこと。
道で10円玉を拾ったので交番に届けたら、ほめられて、おまわりさんが自分の財布から10円を出して代わりにくれたこと。
ぐるぐるがいっぱいでかたつむりみたいな「とーんきごう」は、確かに描くのが難しかったこと。
転校生が来て仲良しになったのに、すぐにまたどこかに転向してしまったこと。
タイトルの「小さいわたし」は、"秋"の中にあったお話で、「わたしはひょっとしたら本当に小さいのではないか?」と不安になった話でした。
つい先日までは、虫の本を読んでいて子供の頃の虫取りの思い出を楽しんでいた。
この本では、虫取り以外のいろんな思い出を楽しむことが出来た。
子供のすることを見ていると微笑ましいのは、小さい頃の自分が重なって見えているのかも知れない。 -
愛おしさのつまった一冊でした。
小学一年生のミリちゃんの一年間。
共感できる部分がたくさんあって、それをきちんと文章にしてくれていて、幼い頃の自分を鮮やかに思い出しました。
一番強く頷いてしまったのは、“頭の中のおしゃべり“。
言葉に出すおしゃべりとは別の、自分の頭の中でいつもグルグルしているヤツ。
あ〜わかる、わかる!私もミリちゃんみたいに、言葉に出すよりも頭の中のグルグルの方が多かったからわかるよ!
私ってこんなに面白いこと考えてるのに、私がこんなに面白いって誰も知らないな〜なんて、いつも思っていました笑。クラスのあの子より私の方がよっぽど面白いのになぁって笑。
こんなこと考えてるのは私だけ?こんな大きな絵の具箱の子は私だけ?と不安になることばかりのミリちゃん。友だちに言葉ではうまく伝えられないし、友だちの方だって理解力が追いついてない。そんな時、いつも『大丈夫、わかるよ。みんな同じだよ』と伝えてくれるママ。それから、担任の先生。
あ〜、とてもあったかい愛おしい一冊でした。
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著者の小学一年生の一年間を四つの季節に分け、それぞれの時期の出来事が綴られたエッセイ。身近に小さな女の子がおらず、育てたこともないので、分かりにくい部分はあったものの、わりあい"心配性"のようなこの主人公が、とても可愛いと思った。
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小学一年生の頃の思い出をもとにしたエッセイ。
大人になるにつれて子どもの頃の記憶も薄れてくるけれどこれを読めば、少しずつ思い出してきた。
そういえば、こんなことあったなぁ…と共感できるところも多かった。
春 横断歩道のじごくのようにルールを勝手に決めてやってみること。
夏 プールに入る前のシャワーと終わったあと水で目をあらっていたこと。
秋 夏休みが終わっての学校の教室。みんな真っ黒な顔していたこと。
冬 ひみつのドッヂボール。わたしの場合は大きなボールがこわくて逃げ回っていたこと。
思い返すことがあってもいいなぁと…。
こんな気持ちに浸れる時間もいいなぁと思った。
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コルベットさんや他の方の本棚から図書館予約
さすがイラストレーターさん
昔の記憶って影絵のようなモノクロ写真のような感じなのに
くっきりとやわらかいカラー
小学一年生の記憶
うーん、ぼやけてる
なつかしい優しい気持ちにさせてくれました
引っ込み思案だった小さいわたし
先生やともだちや両親や……
≪ 夕焼けの かなしさばかり 思い出す ≫
≪-
はまだかよこさん、こんにちは。近頃はすっかり日が短くなりましたね。小学生の頃の記憶なんてすっかりぼやけてしまいました。でも断片的に、思い出す...はまだかよこさん、こんにちは。近頃はすっかり日が短くなりましたね。小学生の頃の記憶なんてすっかりぼやけてしまいました。でも断片的に、思い出すとなつかしく優しい気持ちにさせてくれる記憶が残っています。高学年のお兄さんお姉さんに可愛がられたこと、初めての片想い、林間学校で見上げた夜空に輝いていたすばる・・・。そして、夕焼けを眺めてかなしい気持ちにもなりました。気がつけば、すっかり街の景色も変わってしまいました。2023/10/28
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コルベットさんへ
おはようございます
記憶は切れ切れの薄紙の断片ですが
でも、まとめてみると
「ああ、なつかしい」
何かで読み...コルベットさんへ
おはようございます
記憶は切れ切れの薄紙の断片ですが
でも、まとめてみると
「ああ、なつかしい」
何かで読みました
『自分の中に変わらず生きている少年少女に気づくことが大人になること』
わたしはまあ大人になり過ぎましたが(笑)
コメントありがとうございました
2023/10/29
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益田ミリ、4年半ぶりの書き下ろしエッセイ! かけがえのない一瞬を切り取った子ども時代の宝物のようなエッセイ「先生の質問」/小さいわたし① |...益田ミリ、4年半ぶりの書き下ろしエッセイ! かけがえのない一瞬を切り取った子ども時代の宝物のようなエッセイ「先生の質問」/小さいわたし① | ダ・ヴィンチWeb
https://ddnavi.com/serial/995712/a/2022/06/17
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この本を読むとき、誰視点になるのか分かれそう。
自分の子供時代を思い出す人もいれば、自分の子どもを思い出す人もいると思います。
私は前者でした。
著者と似ているな~、と思ったところはみんなと違う事を極端に嫌っていたところ。
あの頃は「みんなと一緒=正しい」と脅迫観念を強く持って生きていましたね。
みんなと一緒でないと不安で仕方なかった子供時代だったと記憶しています。
そして、この本を読んで思い出したのがもう一つ。
自分事ですが、昔から神秘的なモノや存在に憧れを抱く子どもでした。(今も変わらず)
初めてジブリの「魔女の宅急便」のキキを見た時に、運命を感じたんですよね。(あの存在が尊かった)
「あんな風になりたい……」めちゃめちゃ憧れてました。
そこで、キキのようになりたいと、箒にまたがって飛ぶ練習を本気でしてたんですよね。笑
練習すれば飛べるんじゃないかと、どっかで軌跡が起きるのを期待していたんだろうなぁ。
最終的には弟にバカにされてやめたのですが。
子ども頃って、頑張れば何でも出来ると思ってしまうんですよね。
「頑張れば出来ること」と「頑張っても出来ないこと」の判別がつくようになるのが成長ってヤツなのかもしれません。
勿論、大人になった今、飛ぶ練習はできないです。笑
最期に素敵な表現があったので、ご紹介します。
“こども時代は本当に短いものです。
長い人生のほんのひととき。
なのにプリンのカラメルソースみたいに他の部分とは違う特別な存在です。”(抜粋)
こども時代をプリンのカラメルソースに例える言葉のセンス。益田さんの人間性が出ていて、素敵すぎます。
大人になった後に気づくんですよね。
こども時代は短かったなぁ、と。 -
懐古エッセイとでも言うのでしょうか。益田さんの幼い頃の記憶が綴られています。
ふふふと笑ってしまうものや、そう言えばそうだったなぁと思えるものなど、楽しんで読むことができました。
そういえば私も、ピアノ教室でト音記号をグルングルンに書いたな〜。 -
同じ体験をしたわけではないのに、小さいころの自分を思い出して懐かしい気持ちになる。
益田ミリさんの本には小さな共感がたくさんあって、呼んでていて心地よい。