- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591174043
作品紹介・あらすじ
その島には、哀しい秘密があった――。
自分の代わりに「楽園」で働いてほしい――。夏休み、同級生にそう頼まれたウィル。アメリカの田舎町で過ごす退屈な日々、身勝手な父との生活にうんざりしていた彼は、なにもかも投げ打って異国へと旅立つ。着いた先で待っていたのは、グレイと呼ばれる墓守と、墓地しかない
美しい島だった。やがて周囲で不思議な出来事が起こり始め、
ウィルは「楽園」の秘密を解き明かしていく――。
『英国幻視の少年たち』『この夏のこともどうせ忘れる』の著者が、
少年の鬱屈した苛立ちとやるせなさを描き切った傑作小説。
感想・レビュー・書評
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表紙の絵の雰囲気と作品名に惹かれて手に取りましたが、期待をしすぎたのか内容がいまいちに感じてしまいました。
個人的に島の設定になかなか入り込めなかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「この夏のこともどうせ忘れる」が人生で幾度となく読み返した青春小説なので、この話もそういった刹那的な夏が味わえるかと思って読んだ。
結論からいうと、雰囲気は好きだけど内容はあまり合わなかった。というのも、すべてが唐突でよくわからないまま話が進んで行くので、盛り上がりというものを感じられなかった。そして主人公ウィルが致命的に私と合わなかった。
雰囲気は大好きなんだけどなー。 -
「この夏のこともどうせ忘れる」が結構好きで青春もの。思春期の鬱屈とした人間関係や閉塞感を描かせると上手い作家さんという感じ。
主人公の性格がいまいちつかみきれない。
イライラや鬱屈。どうにもならない住む街へ向ける閉塞感。
やっぱり上手いなーと思う。
孤島に存在する墓地の描写やそこにまつわる人たち。
色々事情がある人たちから垣間見るミステリー、謎解きでもあった。
もやっとする部分もあり。
物語の終わりは悲劇があったり。
主人公に昏い影を落とすけれど、ここから出て行く。
明るい場所へ拓けた場所へと一歩踏み出そうとする未来も感じた。
青春小説でいいのかなーこれ。 -
Amazonの紹介より
その島には、哀しい秘密があった――。
自分の代わりに「楽園」で働いてほしい――。夏休み、同級生にそう頼まれたウィル。アメリカの田舎町で過ごす退屈な日々、身勝手な父との生活にうんざりしていた彼は、なにもかも投げ打って異国へと旅立つ。着いた先で待っていたのは、グレイと呼ばれる墓守と、墓地しかない
美しい島だった。やがて周囲で不思議な出来事が起こり始め、ウィルは「楽園」の秘密を解き明かしていく――。
静かで穏やかな時間が小説の中で流れているのですが、それに反して主人公の抱える感情が激しく描かれていて、そのアンバランスさが結果的に独特な世界観でした。
「楽園」の謎やラストの展開が切なく衝撃的でしたが、その後の文章が幻想的な余韻に浸れました。
「楽園」の秘密、不思議な出来事などミステリー要素があったので、ミステリー小説として読んでしまったからか、色々モヤモヤした気持ちになりました。
というのも、ウィルの性格がよくわからなかったです。時におとなしく、時に振り切るかのような怒りの描写があり、一人称「僕」から連想する人物像が個人的に何か違うなと思ってしまいました。
他にも、「楽園」に住むグレイのエピソード0的なものを深掘りしてもらいたかったです。そもそも何故「楽園」にいるのか?表面的なところしか描かれていなかったので、中途半端な感じにもなりました。
ミステリーのような雰囲気はありつつも、淡々と時間がすぎていくので、勢いがあってもよかったかなと思いました。
その反面、ウィルの心理描写が前面に出ていて、苛立ちややるせなさなど静かなる心の揺れ動きが楽しめました。
ただ、感情の振り幅にはちょっと・・・と思ってしまいました。 -
謎と隠しごとに満ちた死者のための楽園が魅力的。
静謐な時間、疎外感、孤独感、犬のいる生活、ボーイミーツガール、すべての空気が好きだった。