- Amazon.co.jp ・マンガ (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592132349
感想・レビュー・書評
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死後の人間の脳をMRIで分析・解析し、明確な映像として投射できるような技術が確立したという想定で、それを使って迷宮入り事件を解決する人の話。
その映像を見ると、生前その脳の持ち主が見ていたものすべてが見えてしまうため、脳の持ち主の秘密はすべて別の人に見られてしまう。事件を解決する人間は、脳の持ち主に共感しつつ客観的に映像を分析し、事件を解決する必要があり、特有の人間性と一定レベルの知性が要求される。
秘密を持てないというのは、恐ろしいことのようでいて、大したことはない。人間死んだ後は自分を見ることはできないし、自分が生きていた頃の人間性を見た他人が失望するのも見ることができないから。しかし、現在の一般通念では、死んだ後自分がどう見られるのかを気にする考え方が多いため、こういった作品が描かれるのだろうと思う。
設定が変わってるだけで取り立てて新規性の高くない内容だが、多少腐の匂いがしないでもない。アンソロジーとかでボーイズ系の二次創作に多用されそうな内容ではある。作者はそれなりに古くからいるマンガ家だと思うが、そういう人でもこういうのを描くんだな。意図したかどうかはともかく。
こういった技術は、名誉という言葉で飾られる人間には抵抗を持って受け入れられるのだろう。俺はいまいち名誉という言葉が理解できない。人に見られて恥ずかしいことをするのは人間として当たり前だと思っているから。名誉という言葉を投げかける人間は、それを理解せずに投げかけることが多い。だから失望とか見損なうとかがあるのだろう。お前の妄想と俺を一緒にするんじゃねぇよと俺はいつも思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示