劉備徳子は静かに暮らしたい 4 (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社
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本棚登録 : 60
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592211440

作品紹介・あらすじ

新キャラも続々登場! 学園転生★三国志ラブコメ、第4巻!
蜀の三人の目の前に、新たな転生武将が登場! かつて劉備のピンチを何度も救い、徳子からの信頼も厚い、恋のライバル?出現に、心中穏やかではなくなる関と飛虎。まだまだ平穏じゃいられない、学園生活…!
2019年8月刊

感想・レビュー・書評

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  • 趙雲!見たことある字面だわ。どんな人かは知らないけど(笑)劉備関羽張飛は特別なんだろうね。義兄弟だし。しかし、関羽って伝えられてることが本当ならまじイケメンですな。配下の鏡!

  • なまえを呼んで、手は手を取って、ふれあう時がやってくる。

    蜀・魏・呉と三勢力三名ずつ揃い踏みだった三巻までの流れですが、ここ四巻の表紙は「諸葛亮」「孫策」「趙雲」とあぶれた組でお送りします。

    そう、趙雲です。三国志演義においては「五虎将軍」の一人に数えられ長く蜀を支え続け、永遠の若手ホープのイメージが強い趙雲です。

    高校生トリオな蜀の義兄弟たちとは違い、明確に年上の保育士のお兄さんとして登場するのですが、ここで完全に中小企業の社長のおじさん目線と化したヒロイン「劉備徳子」に注目しましょう。

    前世の関係性を引き継いだか、基本若手を可愛がる保護者目線が年下の女子高生から出てるってのはなんか妙ですが、癖になりました。
    恋愛とは全く無縁な関係な親愛ってのがわかるのに、対抗心から団結する関羽と張飛って構図が愛おしい。
    再登場も見込めそうですが、とりあえず破壊力の高いゲスト回でした。

    なんにせよドサクサに紛れて下の名前で呼べて、ようやく恋愛が次のステージに進めたなってのは大きいです。
    「字(あざな)」って文化があるように、古代中国では「諱(いみな)」は軽々しく呼ぶものではないって意味でも、名前を呼ぶってのは三国志テーマな少女漫画としては相当に重要ですから。

    しかし、改めて「曹操」と「劉備」の両方の恋愛軸になっている「関羽」というポジションの重要性を実感した巻でした。
    (スクール)水着回では曹操相手に胸キュンな触れ合いを引き起こし、図らずも恋の駆け引きが仕掛けられます。

    曹操こと操ちゃんも以前の巻でのフラグを引っ張り出して離間工作や流言などの計略を畳みかけますが、こういうのは正面からの攻勢には弱いもの。
    操ちゃんの、小柄でリアクションと表情の激変が映えるナイスなキャラクターを堪能させていただきました。

    で、蜀、魏ときたら次は呉のターン。
    この巻はそれぞれに見どころがあってなかなかにバランスの取れた構成になっていると思います。
    史実と少女漫画の兼ね合いが、回の積み重ねによっていい具合に取れてきたと言いますか。

    最高に可愛いカットが満載です、少し揺らぎのある輪郭や抱き寄せる躍動感などは見逃せないでしょう。

    さて、前世では父「孫堅」と兄「孫策」の相次ぐ死によって若くして君主を務めることになりましたが、現世ではのほほんとお嬢様をやってる「孫権」こと孫市権ちゃんの主役回ですね。
    盾になってくれている親族(少なくとも兄は現世で存命)の負傷に伴って代理で大切な接待に出席することになる王道の「お嬢様がんばる」回なのですよ。

    魏と蜀の間に挟まりつつ、いい感じに飄々といなしてきたように見える彼女の掘り下げは見事でした。
    平和な世では庶民派だったり、変わらずゴーイングマイウェイだったりするほか二人とは違って、本来あるべき立ち位置で守られつつ、そこに甘んじるだけではいられない、ってのはわかりやすくも共感できる心理なのですね。

    若くして重責を担うけど、守られ、フォローされることに慣れているがゆえに自分自身もそのやり方を知っているってのもいい着眼だったように思われます。
    大切なゲストが、バイタリティはあるのに、それが祟ってか三国志屈指の残念なムーブをしてしまった「袁術」モチーフの女性ってのもなかなか面白かったです。

    そんなわけで「三国志」ネタは膨大でまだまだ話は続けられそうなものですが、おそらく次巻で完結のようです。
    時に。最初、この漫画を知った際には偉人の女性化ネタは陳腐、もしくは飽和気味だなぁと思っていたのが偽らざる感想のひとつでした。

    けれど、真摯に少女漫画のフォーマットに乗っかって、良い読後感をくれたことで疑心は解けました。
    今思うに、上品で、王道で、ベタで、だけど少し奇妙な恋愛ですね。よって、残すは大詰めとなる五巻のみだとしても彼女らのことを最後まで見届けたい思いでいっぱいなのですよ。

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