秘密 season 0 7 (花とゆめCOMICSスペシャル)

著者 :
  • 白泉社
4.29
  • (31)
  • (32)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 376
感想 : 24
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592212379

作品紹介・あらすじ

ハレー彗星が接近する中、亡くなった「偉人たちの脳」ばかりが何者かによって奪われる奇妙な事件が発生。薪と青木が捜査を進める過程で、明らかになった衝撃の真実とは…? 人間の命は蝉のように短い──。「冬蝉」編収録、大ヒットミステリーコミック最新刊。
2018年7月刊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 7巻はこの一冊で一話。season0だけど時間は遡って2061年、薪さんと青木が当たり前のように毎日一緒にすぐ近くで仕事できていた頃。
    なぜ第九だけが脳を見ていいのか、という重いテーマをシビアに突き刺してくると同時に、読者に自然に納得させるよう話を運ぶ手腕はさすが。
    どうして薪さんがこんなに冷酷なほど非情なまでに第九としての倫理を守ろうとするのか…そこにはやっぱり、大切な存在だった鈴木さんへの思いがあるからということを切ない思い出と絡めて描いてくるあたりもさすがで、この巻もやっぱり泣かされました。
    トップシークレットからシーズン0まで通して、一番好きな話は可視光線だったけど、この冬蝉がいちばん好きな話になったかもしれない。話の視野が狭まった分だけ、世界観の切なさと美しさが凄みを増している。
    しかしほんと、友情だろうと恋だろうとなんだろうと、鈴木さんと雪子さんと薪さんの関係は切ない。しんどい。きつい。
    今回のエピソードを読んで更に確信が強くなったのは、雪子さんが薪さんを好きなのは確かだろうけど、それは恋ではないよなあという点。鈴木さんが誰よりも大切に思っている相手だからこそ、薪さんを意識して目で追ってしまうだけで、鈴木さんと付き合っていなければ、良くも悪くもあんなに薪さんを意識することは彼女はなかったと思う。絶対に勝てないライバルであると同時に、絶対にライバルになり得ない相手を、つい見つめてしまうだけなんじゃないだろうか。それを鈴木さんも青木も雪子さん本人も誤解しているだけなんじゃないかな…

  • ハレー彗星の接近。
    公に故人の脳を見ることへの是非。

    薪さんは、いろんなモノを背負いすぎる。

  • 恩師が絡み、非情とも思える判断をしなければならず、恩師には理解してもらえず…。恩師としても理解できたとしても納得はできないだろう。
    青木は本当にいい癒しだわ。
    そして、鈴木とのこのエピソードはどう繋がってるんだろう。昔の話につながってる?

  • MRI捜査の根幹に関わる考え方…なぜ犯罪捜査なら許されるのか、いずれ出てくる疑問だった。
    青木君も、薪さんも、そして他の捜査員たちも、悩みながら進んでいるのだろう。


  • もうね。
    いつもながらに、絵の美しさに息を飲み、取り扱われる倫理問題の重さに、ぐぐっとなる作品。
    彼のもろさと強さと。
    象徴的です。

    今回は、一冊完結で、ちょっと設定に「ん?」と思うようなアラがなくもなかったですが、
    特に今シリーズになってからの練りに練られた重い作品ではなくて。
    静かで、だけど、ずーんとくる、やっぱりファンを満足させてくれる作品でした。

  • 相容れない思い。

  • 他人の記憶を暴く是非、第九のシステムと運用する人間の根幹に関わる話だった。
    物語と関係ないしそんな単純な話ではないけどドナーカードみたいに生前に脳の閲覧を許可するか拒否するか自分の意思を申請できればいいのにて思ってしまった。

  • 欲の線引き。
    性的欲求。知的欲求。
    誰がどこで区切るのか。
    意図したことが、正反対にも捉えられてしまう、事象。
    相反するものが、他者から見たら同じにしか見えないという現実。

    今回のお話。特に好きでした。

  • 相変わらず美しい。

全24件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

十文字学園女子大学名誉教授。桐朋学園大学(ピアノ専攻)卒業後、NHKラジオ幼児番組「ピッポピッポボンボン」、教育テレビ「ふえは歌う」などにピアノのお姉さんとしてレギュラー出演。現在は後進の指導をはじめ、朗読ミュージカルのピアノ演奏、雑誌等での音楽あそびやリズムダンスなどを発表し好評を得ている。

「2022年 『保育のうたあそび決定版-ワクワク☆春・夏のうた-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

清水玲子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×