- Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592217336
感想・レビュー・書評
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パン種が時間をかけて発酵することで旨味を増すように、この『一の食卓』もまた、巻を重ねていく毎に、“味”には厳しい漫画読みを唸らせる
樹先生の作品を網羅している訳じゃないので、不用意な感想は口に出来ないが、先生の少女漫画とは思えぬほど線が鋭い絵柄は、歴史、特に明治って変動の時代を舞台にしている、この『一の食卓』にピッタリだな、と読むたびに想う
また、一人、あの激戦を生き抜いた猛者が登場。彼の名は、永倉新八
現在、YJで大好評連載中で、生き馬の目を抜く勢いである『ゴールデンカムイ』にも登場している鬼の生き残りである
こんだけ、サムライが一同に会しちゃ、フェリさんじゃなくたって興奮するわ
乙女ゲームかってくらい、ヒロインの周りにイケメンが集まってくるなぁ
(4)では、一体、誰が登場して、私らの度肝を抜いてくれるのやら
永倉が登場しただけあって、この(3)でもトラブルに見舞われる明
パン屋にとっちゃ、何にも変えられないパン種を不埒な輩にダメにされてしまったのだ
かつての明なら、さめざめと泣き、自責の念に駆られ、最悪の事態に至っていた可能背も否定できない。けれど、今、彼女の支えには、藤田五郎がなってくれている
彼からの発奮を受け、明は自分のミスを贖うべく、また、パン職人として次のステージに進むべく、新たなパン種作りに挑む
ヒロインが頑張るのだ、それを黙って見守っているだけじゃないのが、この『一の食卓』のイイ男たち
藤田らは、それぞれ、自分が明と店の為に出来る、すべき事を懸命に励む
人の繋がりって温かイイなぁ
永倉は斎藤さんの変化に驚いているけど、確かに(1)の頃から比べれば、人としての優しさに丸みが出てきた感はある。狼としての鋭い牙は健在だったけど、それを剥いた理由は、誰でもない明の為だったし、やっぱり、斎藤さんは変わる事が出来ているのだろう
本当に芯の通っている、カッコいい男ってのはマヂギレしても、その魅力を損なったりしないもんだ、と感服した
男ってのは、女で良くも悪くもなる生き物だ
事件の行方や、パン種の成否も気になるトコだが、やっぱ、次巻の見所は明と藤田さんの関係性の変化だろう。血腥い過去くらいで、今更、明の藤田さんに対する評価が一変するとは思えないけれど、彼女はコレでも普通の女の子。ショックくらいは受けるだろうな。でも、きっと、過去は過去、今は今、と受け止める強さもあり、そんな真っ直ぐさに、多分、藤田さんはもっと惹かれていくだろう
この台詞を引用に選んだのは、斎藤らもカッコいいが、フェリさんも負けてないな、と見直した(失礼)ので。職人をやってりゃ、その仕事がいつでも順風満帆とは限らない。けど、いきなり、やってくる傍迷惑な災難にも挫けず、それをどう攻略するか、頭を働かせ、体を動かせるか、が職人として大事。考えようによっちゃ、相当な一大事にも関わらず、明の職人としての誇りを尊重して一任し、エールを送れるフェリさん、社長の鑑だ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
明ちゃんがいいなぁ。なにがあっても大好きな料理にまっすぐ。それはきっと過去をまだ引きずっている元新選組の面々にも大きな影響を与えてるんでしょうね。
そして、お腹空いてる時には読まないのはお約束ですね。パンがおいしそうで、ジュル。