呪い子の召使い 8 (花とゆめコミックス)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592224334

作品紹介・あらすじ

父の遺した日記を王子と一緒に読むことにしたレネ。
そこに記してあったのは父ととある呪い子の旅の記録で――。
2023年2月刊

感想・レビュー・書評

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  • この世に居ない父の日記を見るという自身のルーツを探るレネの旅。それは確かに父を知れるものとなったのだろうけど、傍で見ていたアルベールはルカとダンの関係性に自分達を重ねているのは面白い
    というか、ダンが呪いを持っていたというのが驚きなら、その呪いがレネと同一だった点は更に衝撃的

    これまでレネが所持する「不死の呪い」は父が今際に娘の生存を願ったものが呪いとなって宿ったものだと解釈して来たのだけど、ルカの存在によってレネとダンの呪いが全く別の意味を持ってくるような…


    父の件はレネにとって心に深く突き刺さる事象だったろうけど、傍にアルベールが居てくれたから立ち直る事が出来た
    なら、逆に言えばダンとルカの件を最も気にしているのはアルベールと言える
    それはヒロインを守ろうとするヒーローとしては正しいけど、一国の王子としては間違い。また、呪い子というリスクを背負っているなら危うさしか無い

    レネの事は気になるのに思うように動けない自分は不甲斐ない
    そこで苛立ってしまっても可怪しくないのに自分の目指す理想を変わらずに掲げられるアルベールはやはり強い人間だね


    難しい背景事情が有りつつも、再び明るい調子を取り戻せるかと思われた矢先に降りかかるのは呪いによる急襲ですか
    正体の判らぬ呪いが王都や人々を蝕み始める。そこへアルベールが原因だなんて理由が与えられたら人々がどう考えるか判らない危機的事態
    これまでも呪い子である事がバレる事によるリスクは存在していたのだけど、何だかんだバレる相手は呪い子と元々関わりのある人間ばかりだったから本当の意味での恐怖というのを忘れていたよ…

    王族を害するのではなく、呪いを秘密裏に抱えてきた王宮を糾弾するかのようなレネへの罠
    陰謀が深いものであるならば、まだ若いアルベールが対抗できるものではない。ルカという脅威にアルベールが破れるのはある意味仕方ない展開

    というより、アルベールが本当に対峙しなければならない相手は別に居たというか
    傷つく人民を前に自分の呪いを明かしてでも助けようとしたアルベールの行動は正しい。でも人はいつも正しさに報いてくれるわけではないから、アルベールを呪いを持っているという一点で恐れてしまう

    ここで折れそうになったアルベールが子供の感謝とレネとの誓いを元手に歩み始める描写は良いなぁ
    彼の心の強さを感じられるよ


    ルカとの問答により少しずつアルベールへの感情を自覚し始めるレネ。その想いは呪いを玩具のように弄ぶルカにどう抗うのだろうか?

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