みずうみにきえた村

  • ほるぷ出版
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本棚登録 : 69
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593503575

感想・レビュー・書評

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  • 大都会に水を供給するためダムの底に沈められてしまう村のお話。
    最初から最後まで静かな語り口と美しい絵がマッチして、印象に残ります。

    私がこの本に出会ったのは小学生の時でしたが、現在水に困らず生活できているのはこんな風な運命を辿った村があったからなのだということを本を通して知り、小学生ながら色々と考えさせられるものがありました。
    小学校の高学年以降にオススメの本です。

  • ダムに沈む、作者の体験をもとに

    ダムを作るのは水がない都会のためだったのか…。

  • 絵が美しいだけに、
    余計、考えさせられます。

  • 『みずうみにきえた村』は、都会に飲料水を供給するために
    村をつぶしてダム湖にしてしまうお話です。
    私達の住む近くの川の上流にも、ダム建設の予定でしたが、
    現知事が様々な調査をして隣接する府県知事とも話し合い、
    今は建設中止の方向に向かっているそうです。
    でも、ダム建設予定地周辺に住んでおられた方々は
    すでに引っ越されたようです。
    お祖父さんお祖母さんがそのまたお祖父さんお祖母さんたちが
    ずっと住み続けていた、そして自分も生まれた時から
    なれ親しんだ土地を離れるのは、そしてその場所が
    無くなってしまうのはどんな気持ちでしょう?

  • 著者の故郷であったクアビン貯水池は、かつて山々に囲まれ、
    スウィフト川という川が流れる谷間で、せっせとよく働く人たちが何代にもわたって住み続けていたところだった。それが、大量の水を必要とする大都会との取引の結果、スウィフト川ぞいの町や村は湖に沈められた。豊かで美しい自然が、子供心にどれほど楽しみや安らぎを与えてくれたか、それを破壊されることはどれほど寒々とし、衝撃的な出来事であったかを語る淡々とした素朴な文章が、バーバラ・クーニーの多くのことを語りかけてくる、暖かみのある絵そのものの中に、心が入り込んでいくのを手助けしてくれる。絵本の前半は、自然の美しさ、楽しさに心が癒される思いがする。ことが起こっていくあたりは、衝撃的な情景であるにもかかわらず、温かみのある絵によって、事実が柔らかに、静かに語られているように感じる。後半は、時が経ち、年老いた父と共に大人になった主人公が、貯水池をボートで漕ぐ情景が、夕暮れから夜にかわる様子と共に語られるが、その静謐な美しさが、湖の水とともにひたひたと心にしみこんでくる思いがする。問題提起の絵本であるのに、ちっとも硬さを感じさせず、心癒される絵本。

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著者プロフィール

1939年ニューヨーク生まれ。編集者をつとめたのち、作家としてデビュー。絵本、児童文学、ファンタジー作品などを幅広く手がけ、ゴールデンカイト賞をはじめ多くの賞を受賞。絵本に『月夜のみみずく』(偕成社、コルデコット賞受賞)などがある。

「2020年 『みずうみにきえた村[新版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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