楽園を見つけたら (扶桑社ロマンス)

  • 扶桑社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594068066

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  • 図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)

    フェデリカは叔父の経営するホテル・チェーンの重役とシて、多忙な日々を過ごしてきた。ところが買収交渉に訪れたカリフォルニア北部の小さな町で、ついに過労のため倒れてしまう。敵であるはずの彼女を受け入れ、温かく看病する町長兼保安官のジャック・サッターら町の人々。疲れ果てた心に潤いを取り戻してゆくフェデリカ。しだいに募るジャックへの想いと裏腹に、買収交渉の期限は刻々と迫る。深まる町への愛着と職務の間で彼女が下した決断とは?人気作家が幸福の本質を問う愛と夢の物語。

    幸せって形はないのよね。
    判ってはいるし、経済力の差でひるまない男性は少ないと思うの。
    エレンとワイアットもスピンオフあるのかしら?

    Home coming by Lisa Marie Rice

  • 面白い形態の小説でした。

  • ええとそんな訳で仕事で世界中飛び回ってて今自分がどこにいて何時なのかも分からないような状態になっているフェデリカと、生まれ故郷の小さな町で町長兼保安官をしているジャックのお話だった楽園を見つけたらだったのですが。あらすじから想像する以上に本当に最初から最後までものすごくきれいな夢みたいなものを見せてくれるお話でした。
    正直なところ、世界観というかこの町の設定自体が夢物語過ぎて(自然の多く残る小さな町で、才能溢れる人々が自分達を縛りつけるものから逃げて、おおらかな時間の中で愛し合いながら豊かに才能を発揮しつつ隠れ住んでるという…)、そのあたり気が合う合わないはあると思うのですが、それでもこの美しく愛情溢れる場所と人々と何よりジャックがフェデリカに与えてくれた安らぎと愛情が本当にきれいで。
    彼と彼女が(追い立てるメールやFAXから逃げながらも)穏やかに過ごす時間に胸が痛むようだったので、もうこれはこれでいいのかなあと思わなくもなく。
    本当に真っ直ぐな、傷と過去と再生と救済の物語でした。

    愛と救済と、楽しく気持ちい人々とカタルシスと、美しい場所と建物と、キラキラ輝くもの、胸を締め付けられるほど美しいもので世界が満たされていく感覚みたいなものがずっとあって。
    もう本当にあんな町も人々も本来ありえないと分かっていても、でもだからこそ物語に存在する幸福に、ちょっと羨ましいような気持ちになりつつ読了しました。
    そして本当に本当にご飯が美味しそうだった…それもまた幸福のひとつの形なのだと思ったり。

    あとはもうちょっとフェデリカがなんであそこまで叔父さんとその会社の目標に拘るのかとか、叔父さんの病院嫌悪はどこから来るのかとかがきちんと書いてあると最後のオチが納得しやすかったのですが、原作が短編だった模様なので難しかったかなあ…。

    しかし、本当にライス読む度に最近ずっと言ってる気がするのですが、本当に彼女の作品には”アメリカ”(特に保守のアメリカ)を強烈に感じていて。小さな町で自分達だけの力で自主自立して生きる人々が、日々を家族と共に満たされて暮らすというのがその理想の姿の一つなのは良く分かる気がする…。元々スーパーマーケットのロマンスレーベル作品だったとのことなので、その辺りもあるのかもしれませんが。
    そしてそんな訳でジャックさんもやっぱり元軍人でした。いやうん。分かってた。
    それでもジャックさん元物資調達係なせいかバランスの良い性格で、経済観念も持っているあんまり頑なでも独善的でもない人で。それに対してフェデリカも逃避しているのとぼんやりしているのもあって、あんまり頑なさや肩肘張ったところが表には出ていなくて、シンプルなストレスのない二人でした。

    あ、あと後書きで時代を感じさせるかなあと書かれていた企業がFAXを使用するという設定は、(意図的に町が孤立しようとしているのもあって)そんなに気にならなかったし、大量のメールもFAXも逆にキャラクターや背景が見えて非常に面白かったのですが(ライス先生本当に上手いなあ…)、それ以上に買収のライバル企業の仮設定が日本企業なのが時代を感じさせて(今だったら絶対そんな設定にならない気がする…)個人的にちょっと凹んでしまったり。

  • 世界的なホテルチェーンの重役だが仕事に疲れたフェデリカ・マンションと、買収予定の町の町長兼保安官のジョン・A・サッターのロマンス。
    既存のライス作品とは全然違って、過剰な男性ホルモン過多のヒーローも無だし、官能的なベッドシーンも控えめだが、ほのぼの感あるストーリー。
    仕事に疲れた人には楽園みたいな町で育まれる愛。ヒロインの友人エレンとヒーローの弟ワイアットもいい感じに思えるのにエピソードも言及されてないのが物足りない。スピンオフも無いようなら何とも残念。

  • いつものホットなサスペンス・ロマンスとはまるで違う作風で驚いた。違う名前で書いた作品だったのね。大人のおとぎ話。パラダイスを見つけたヒロインのあったかくて癒される物語。2013.5

  • エリザベス・ジェニングス名義作品。
    冒頭からFAXとメールの応酬が延々続くので、一回、本を閉じたけど(笑)、
    その後なんとか乗り越えて小説の本題(?)に進み、ほぼ一気読み。
    こういう場所なら自分も住みたい。

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著者プロフィール

Lisa Marie Rice
リサ・マリー・ライス
1951年アメリカ生まれ。翻訳者、通訳を経て小説家に転身。官能に彩られたロマンティック・サスペンスを中心に旺盛な創作活動を展開。『真夜中の男』(扶桑社ロマンス)で2004年のシズラー・アワードの最優秀ロマンティック・サスペンス賞を受賞。2014年より〈真夜中〉シリーズを再始動する。

「2023年 『真夜中の抱擁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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