イスラム教再考 18億人が信仰する世界宗教の実相 (扶桑社新書)

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594087364

作品紹介・あらすじ

多発する「過激派テロ」、「信教の自由」も「LGBT」も否定、「子供への体罰」や「児童婚」が蔓延、「女性の価値」は男性の半分……。イスラム教は本当に異教徒に寛容で穏健な宗教なのか?

世界的に突出して偏向している日本の「通説」を検証することにより、「イスラム教のリアル」が見えてくる。
学者・メディアによってつくられた「常識」を問い直し、イスラム教徒とのあるべき共生の道筋を示す!

【目次】
はじめに―イスラム研究者が拡散させた「誤ったイスラム像」

第一章 「イスラムは平和の宗教」か
外務省「イスラム研究会」設立/ジハードは「聖戦」ではなく「努力」?/自爆攻撃は正当化されるか 他

第二章 「イスラム教ではなくイスラームと呼ぶべき」か
日本のイスラム研究業界の「ルール」/「単なる宗教ではない」というイメージ戦略/政治信条やイデオロギーの投影の対象 他

第三章 「イスラムは異教徒に寛容な宗教」か
高校世界史の教科書にも描かれる「寛容さ」/異教徒は「殺すべき対象」/棄教者は死刑 他

第四章 「イスラム過激派テロの原因は社会にある」か
「イスラム主義との戦い」を宣言したフランス/イスラム過激派テロをアメリカのせいにする陰謀論者/テロの原因はイデオロギー自体にある 他

第五章 「ヒジャーブはイスラム教徒女性の自由と解放の象徴」か
ヒジャーブは「サラリーマンのネクタイのようなもの」?/ヒジャーブ着用により女性は守られるか/異教徒の女性は性奴隷/ヨーロッパで続発するレイプ事件/ヒジャーブをしない自由も尊重されるべき 他

第六章 「ほとんどのイスラム教徒は穏健派」か
イスラム過激派を支持するイスラム教徒は少なくない/身体刑の執行を支持/信教の自由、表現の自由を否定/LGBTを否定/蔓延する子供への体罰・精神的虐待と児童婚/女性の価値は男性の半分/妻は夫に完全服従 他

第七章 「イスラム教を怖いと思うのは差別」か
イスラモフォビア(イスラム恐怖症)批判/イギリスで加速するイスラモフォビアへの法規制/日本でも広がる「イスラム教は怖い=差別」の風潮 他

第八章 「飯山陽はヘイトを煽る差別主義者」か
日本のイスラム研究業界の不文律/「ニセ学者」のレッテル/インターネット上の誹謗中傷/日本のイスラム研究者が本当に守りたいもの 他

終 章 イスラム教を正しく理解するために
イスラム主義の台頭を許した西欧の「罪悪感」/ポリコレと多文化主義の見直し/「アブラハム合意」を歓迎しないのは誰か/日本のイスラム研究者とメディアが広めたウソからの脱却を 他

感想・レビュー・書評

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  • 「井筒俊彦、高橋和夫、中田考、宮田律などの中東イスラム研究者や池上彰、出口治明、内田樹、中田敦彦などのイスラム論のウソを暴き、多様性の幻想に洗脳されたままでは日本は第二のヨーロッパになるだろうと警告する内容になっています。」
    え〜トンデモ本じゃん!流石扶桑社!!

    イスラム教再考|書籍詳細|扶桑社
    https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594087364

  • イスラム教とイスラム主義の違いがよくわかる。
    最近タリバンと中共の接近になぜ?と疑問を持っていたが、本書を読んで理由がわかった。
    共産主義中国は宗教を弾圧するから、イスラム教と対立しそうだが、イスラム原理主義は宗教ではなく中共と同じ全体主義、統治思想だから矛盾はないのだ。もちろん本書刊行の時点で、アフガニスタンをタリバンが掌握してはいなかったから、この件については言及はない。
    だが同じ全体主義が手を結ぶ恐怖はじわりと迫ってくる。
    また日本の研究の現状、マスコミ、出版界による洗脳の恐怖も感じるだろう。まさに無防備な日本は危機的状況だ。
    イスラムを取り巻く現実を知るには必読の書だと思う。

  • イスラム教徒にとっての正しさの基準は、人間理性ではなく「神の意志」にある。

    イスラム教は、全世界がイスラム法によって統治されたときに初めて平和がもたらされると考える。

    イスラム過激派テロの原因は社会にあるのではない。イスラム教のイデオロギー自体にある

    「退行的左翼」とは、政治的に左翼、リベラルでありながら、多文化主義、文化相対主義などを掲げることにより、リベラルな価値に反対する集団(特にイスラム教)に寛容を示し擁護するイデオロギー。

  • 武田先生推薦

  • ひさびさに金返せ!と...買ったことを後悔した本でした。こういうどうでも良い自己中な本を出版する扶桑社さんはある意味すごいです。最後の文章「私は日本で生まれ育った日本人として、日本が伝統文化の喪失と国家崩壊を免れ、日本の独自性を保ったままグローバル化と多様性の時代を生き抜くことを願ってやみません。」と書ける著者をある意味尊敬いたします...

  • 『イスラム教再考』というタイトルながら、むしろ著者の力点は、〝現代日本の言論界におけるイスラム教受容の歪み〟を批判することに置かれている。

    フランスの哲学者ベルナール=アンリ・レヴィが「反米教」と命名したという、《「専門家」とメディアの反米・親イスラムという偏向、いわゆる「イスラム左翼主義」》は先進国に共通の現象であるようだが、とくに日本は「世界的に突出して偏向している」(版元の紹介文より)という。
    その偏向を、著者は実名・実例を挙げてバッサバッサとなで斬りにしていく。

    言葉遣いは過激ながら、著者の主張はまっとうで論理的だ。
    第8章《「飯山陽はヘイトを煽る差別主義者」か》は、自らに向けられた批判への反論に充てられているが、私は本書の内容がイスラム教へのヘイトだとは思わなかった。

    《日本や欧米、近代を批判したい気持ちを持て余すポストモダン風文化人は、イスラム教についてほとんど何も知らないにもかかわらず、「反近代」だからという理由でイスラム教を安易に賛美する傾向にあります。彼らはイスラム教に寄り添うふりをしてそれを利用し、知識人を気取っているだけです。》

    ……と著者も言うとおり、イスラム教を〝自らの都合に合わせて歪めたうえで礼賛する〟一部知識人こそ問題だろう。

  • 池上彰本ばかり読んで、世の中を知った気になってたらダメですね。
    こういう本も読まないと。

  • ふむ

  • 2021-06-12 anazon 399円

  • 著者が否定している「『イスラム教は穏健だ』という日本のリベラル左翼的なイスラム専門家」も、「イスラム教は危険だ」という著者も、結局は外野で色々言ってるに過ぎないのではないか

    それよりも「イラク水滸伝」や「テヘランでロリータを読む」の方が自分には響いた

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著者プロフィール

飯山陽(いいやま・あかり)
1976年生まれ。東京都出身。イスラム思想研究者。アラビア語通訳。上智大学文学部史学科卒。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。著書に『イスラム教の論理』(新潮新書)、『イスラム2.0』(河出新書)、『イスラム教再考』(扶桑社新書)、『イスラームの論理と倫理』(共著、晶文社)がある。

「2021年 『エジプトの空の下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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