なぜ若者は理由もなく会社を辞められるのか? (扶桑社新書)

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594088699

作品紹介・あらすじ

大学倒産時代を迎え自己変革を迫られる大学と順応する学生。一方で、若者の意識を理解しないままの企業。結果、就職した若者がすぐに辞めてしまう。このままでは企業は若者に見捨てられてしまうのか。若者をうまく使いこなすために企業が知っておくべき令和時代の大学生のリアルとは。激変する大学事情を「教える側」の視点で語る現代若者論。

はじめに 間もなく、若者に逆襲される日本企業の皆さんへ
第一章 本格化する若者激減時代
第二章 甘い経営者と中高年管理職の認識
第三章 若者は弱いか?
第四章 日本を衰退させる若者の仕事観
第五章 日本を再浮上させる若者の仕事観
第六章 若者はなぜ「成長」したがるのか?
第七章 もはや小中高と大差ない大学
第八章 若者を有効活用できている企業がやっていること
第九章 今の若者に欠けているもの
おわりに 日本企業は大学より遅れている?

感想・レビュー・書評

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  • 主観的、経験に基づく論説が多いが、そもそも全ての若者に当てはまるものではないし、傾向として捉えるように読んだ。スマホの登場が与える影響は間違いなくあって、それは若者だけではなく、現役世代全般に言える事。それ以外にもエポックメイキングな事象やテクノロジーに受ける影響は、やはり若者に限らない。ただ、会社を辞めるという事象で言えば、年齢により影響の程度が変わるし、古い世代は、過去の経験により影響を受け難いのは確かだ。

    多様性を認めながら、しかし、SNSがを生み出すのは、排他性。自分が認めるもの、自分を認めてくれるものを求め、承認し合うネットワーク。興味の幅は、新聞のように無用な記事に惹かれる事も、書店で出会う無関係な本もレコメンド機能が奪い、マッチングでは、自分の知らない自分の条件を設定し得ぬために自己規定した自己像に対する環境を導き出す。排他的個性は、テクノロジーやアルゴリズム、いや、合理性により、強化され始めている。現役世代は、そうした排他的個性の殻を少しずつ固めつつある。

    他己紹介という手法があるらしい。この本で知った。この本で知ったという事も前述のセレンディピティであるし、または、他己という概念は、対比により個性の殻を破るのに良いかも知れない。

  • なぜ若者は理由もなく会社を辞められるのか?。中野 雅至先生の著書。なぜ若者は理由もなく会社を辞められるのか?という疑問を感じる感覚自体がおかしいと思う人が多いのかな。なぜ若者は理由もなく会社を辞められるのか?と感じるのなら、なぜ若者に理由もなく会社を辞められてしまうのか?と感じるべきなのかな。なぜ理由もなく会社を続けられるのか?と感じる人だって多いから。自分は常識人という高慢な思い込みで自分だけの常識非常識の枠にとらわれる人こそ非常識。

  • 【まとめ】
    現代の若者の多くは職場での『成長』を重視する。
    しかし、その『成長』は『受け身』のものであり、企業が『成長させてくれる』ことを望む。
    それが叶わず、主体的な努力が必要な厳しい職場であるとわかると、躊躇なく辞めてしまうのだ。


    【若者に響く言葉『成長』】
    →派生語︙武器 護る 盾
    演壇で上記の言葉を使うと生徒の私語が止まる。
    例 これからはインバウンドやグローバル化で、英語ができれば自分を護る大きな武器になるよ
    若者は皆どこかで不安を感じているのだ。武器と同様に成長しないとヤバい。就職氷河期を見てきたから。

    【若者にとっての『成長』とは】
    1つは専門能力(仕事全般とメンタルを含めた総合的なもの)を身につけること
    それは、主体的なものではなく、ものすごく受身的なもの。『成長できる職場環境』かどうか。
    その職場で働くだけで成長できるか。
    本来、成長するかどうかは自分次第。どんな環境でも学ぶことができるし、成長することもできるはず。なんですが、社会人になる前に、学校をはじめとする様々な場所で成長できる経験を提供されてきたこともあって、成長できる経験を提供してもらえると思い込んでいる部分がある。

    【若者を使いこなすには『具体的なアドバイス』をすること】
    自分と違う存在であると受け入れる。
    その上で、自分自身が若者部下の仕事内容をきちんと把握し、具体的な指示を出す。
    更にレベルアップすると、自ら考えることの重要性を、具体例を挙げながら、最初に丁寧に説明してあげること。
    ※もっと上の方は、「公平公正に評価してくれること」「仕事を任せてくれること」を求める。

  • 環境によって性格=仕事姿勢は全く異なる。外的圧力次第。

  • はじめに 間もなく、若者に逆襲される日本企業の皆さんへ
    第一章 本格化する若者激減時代
    第二章 甘い経営者と中高年管理職の認識
    第三章 若者は弱いか?
    第四章 日本を衰退させる若者の仕事観
    第五章 日本を再浮上させる若者の仕事観
    第六章 若者はなぜ「成長」したがるのか?
    第七章 もはや小中高と大差ない大学
    第八章 若者を有効活用できている企業がやっていること
    第九章 今の若者に欠けているもの
    おわりに 日本企業は大学より遅れている?

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著者プロフィール

神戸学院大学現代社会学部教授。1964年、奈良県大和郡山市生まれ。同志社大学文学部英文科卒業、The School of Public Polich, The University of Michigan 修了(公共政策修士)、新潟大学大学院現代社会文化研究科(博士後期課程)修了(経済学博士)。大和郡山市役所勤務ののち、旧労働省入省(国家公務員Ⅰ種試験行政職)。厚生省生活衛生局指導課課長補佐(法令担当)、新潟県総合政策部情報政策課長、厚生省大臣官房国際課課長補佐(ILO条約担当)を経て、2004年公募により兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科助教授、その後教授。2014年より現職。2007年官房長官主催の「官民人材交流センターの制度設計に関する懇談会」委員、2008年からは国家公務員制度改革推進本部顧問会議ワーキンググループ委員を務める。主な著書に、『天下りの研究』『公務員バッシングの研究』(明石書店)、『政治主導はなぜ失敗するのか?』(光文社新書)、『間違いだらけの公務員制度改革』(日本経済新聞社)、『財務省支配の裏側』(朝日選書)など多数。

「2018年 『没落するキャリア官僚 エリート性の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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