コンピュータのしくみ 改訂版

著者 :
  • 放送大学教育振興会
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784595315008

感想・レビュー・書評

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  • まさにタイトル通りの本。
    蓄積プログラム方式(ノイマン型コンピュータ)の構造、動作について、非常に分かりやすく、平易な言葉で解説された良書。
    基本的なアセンブリ言語とコンピュータの物理メモリ空間さえ理解していれば、一般的なプログラマにも十分読みこなせる内容になっている(アセンブリ言語、物理メモリ空間等の知識のない人は、本書を読む前に『はじめて読む8086』か『はじめて読むPentium マシン語入門編』を読めば、本書の内容について行けると思う)。
    デジタルとアナログの違い、論理回路の説明からシークエンス回路(順序回路)、CPU、メモリ、周辺装置の関係の解説、CPUの内部の構造などが丁寧に解説されている点が非常に素晴らしい。
    私は本書において、CPU内部のデータ処理部(ALU)だけでなく、一般のプログラマには分かりにくいシークエンス回路で構成された制御部に関して、平易な言葉と図表で分かりやすく解説されている点に非常に感銘を受けた。
    メモリに展開している機械語のコードが、プログラムカウンタを通じて、制御部でどの様に読み取られ、解釈された上で、それがALUが必要とするメモリからレジスタへデータを転送するバスの開け閉めといった実際のコンピュータの動作にどう結びつくのかが詳細に書かれている。
    本書と同じようなテーマで書かれた本は『構造化コンピュータ構成 第4版』や『ディジタル回路設計とコンピュータアーキテクチャ』などがあるが、いずれも600~700ページもある分厚い本で読みこなすのは、かなりの労力が必要である。
    それに対して、この本は200ページ以下と非常に少ないページ数で要点を抑えた解説がなされており、学生の方だけでなく、文系出身でプログラマになったといった方々にも非常にお勧めできる本であると思う。
    上記で紹介した本は国語辞典のように分厚く、持ち歩いて読むのはかなりの労力が必要だが、本書は200ページ以下と薄く、軽い本なので通勤途中などで読むのに最適である。
    現代社会を支えるコンピュータの基本構造を理解したいすべての人にお勧めしたい。

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