贖いのリミット (ハーパーBOOKS)

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  • Amazon.co.jp ・本 (704ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596541284

感想・レビュー・書評

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  • ウィル・トレントシリーズの第八作、初めて手に取った著者の本だが、シリーズ最高傑作との評判はさすが。

    序盤は重い犯罪と展開が辛かったが、最初の章のラストで登場したアンジーのセリフから一転!続く章では、これまでのシリーズと本作の最初の章でも、イヤなキャラだったウィルの別居中の妻、アンジーが主役。解説にもある通り、立場を変えて同じストーリーを見ると、全く別の側面が。

  • ああ、アンジー
    あなたにも義があり
    あなたにも信があった

    わかりにくいし
    わかりたいとも思わないけど

    よくぞここまでの話が・・・
    読むだけでも疲れるのに
    凄い

  • ダヴィンチの広告欄とか特集で何度か見かけたことがあり、見栄えのする著者近影も相俟って、ひそかに気にはなっていたもの。今回、本の雑誌年間ランキング入賞で、いよいよ手に取ってみた次第。シリーズものを途中から読んで大丈夫か?とも思ったけど、杞憂でした。どんでん返しな展開も含め、本作だけでも十分に楽しめる内容でした。積読状態の本が多過ぎて難しそうだけど、機会があれば他の諸作も読んでみたい。

  • 先に読んじゃった、シリーズの中で最新となる「破滅のループ」の前作ですね。元妻といってるけど、まだ離婚成立してないんじゃん。複雑な関係ですよ。著者の取材力には舌を巻きますね。NBAスター選手をこのように登場させることに驚かされます。全く○○野郎です。彼らを取り巻くビジネスや人間たちがリアルで唸らされます。そして、読むたびに思うのが、登場する女性たちの凄さですよ。悪い女はとことん悪くてむしろ清々しいくらい。男たちが右往左往させられて、ざまあみろと言いたくなってしまいます。構成もひねりがあって、アンジーを見る目も後半で変わりました。作者の手腕としか言いようがありません。あんなラストみせてくれたんじゃあ、これからも目が離せないじゃないですか!

  • カリン・スローターを読むと、そのへんの"タフなヒロイン"が並みの人に見えるし、同じく"悪女"が、ただ小遣いをせびるだけの子供に見える。

    カリン・スローターが描くのは、タフでなければ生きられない世界と、悪魔のような女たちのだ。

    悪魔のような女と聞いて、多くの読者がすぐさま名を挙げるだろう、あのアンジーが本作のテーマである。
    ウィル・トレント・シリーズ8巻目にしていよいよというところか。

    アンジーについての印象は、人によって違う。
    好きか嫌いかだけでさえ、きっと様々だ。
    本作だけを読んだ人、シリーズの途中から読んだ人、そして、最初の巻『三連の殺意』から読んだ人では、印象はずいぶん異なる。
    当然、すべてを読んだ人のほうが、思いは根深く、ややこしい。

    私はといえば、最初はそうでもなかったが、次第に嫌いになってきて、もういっそ嫌いなほうへずっと突っ走ってほしいと、へんな応援をするようになっている。

    かわいそうなのは、主人公ウィル・トレントだ。

    彼は女性運がよいのか、悪いのか、最悪なのか、とにかく女性に囲まれている。
    タフな女、悪魔のような女の数々から、愛情なり気遣いなりが理由ではあるのだが、さんざんに突つかれ、殴られ、跳ね飛ばされ、ピンボールのような扱いを受けっぱなしだ。

    私がウィルだったらとうに死んでいるなと、読みながら何度思っただろう。

    それでも最後まで立っているのだから、ウィルも実は相当タフである。
    女性たちが強すぎて、そう見えにくいのが気の毒だ。

    本作を読んで、アンジーに対する印象が変わったという人がいる。変わらなかった人がいる。
    さて、あなたはどうだろう?

    シリーズの順番は以下のとおり。
    どれから開いたとしても、『三連の殺意』はやはり読んでほしいと思う。
    それは、アンジーだけでなく、主人公ウィル・トレントをより知ってほしいからでもある。

    『三連の殺意』
    『砕かれた少女』
    『ハンティング』 上下
    『サイレント』 上下
    『血のペナルティ』
    『罪人のカルマ』
    『ブラック&ホワイト』
    『贖いのリミット 』
    『破滅のループ』

    『ザ・ゴールド』(番外編 リー・チャイルドとの共著  電子ブックのみ 『贖いのリミット』の冒頭も読める)

  • 今回はアンジーが主役ですね。

  • バスケットのスター選手マーカス・リッピーが起こしたレイプ事件を担当する捜査官ウィル・トレント。金と弁護士の力で立件できなかった。その選手が経営するクラブで遺体が発見された。元警官のデール・ハーディングだった。現場に大量の血液が流れており、ウィルの別居中の妻アンジーのものだと考えられた・・・

    うーむ。重たいのにスピーディーな展開。ある巧妙な策略が終盤に明らかになるのだけれど、これ込みでシリーズナンバー1。

    後半はアンジーがいったい何をしていたのかが時間を巻き戻して明らかになる。前半も面白いけれど、後半はさらに面白くなる。そういう意味では迷惑な女アンジーの物語だと言える。

    しかし、アンジーではなくサラと付き合っているウィルの苦悩。サラの苦悩。こちらもかなり読ませる。

    「母親のいない子供にかけられた呪いね。わたしたちは、自分が傷つける相手に慰めてもらおうとするんだわ」



    ※以下自分用ネタバレ

    別の選手ルーベンの妻ジョーはアンジーが捨てた娘。夫から暴力を振るわれている。ジョーを逃すために、アンジーは死んだ振りをし、ジョーも死んだことにする。

  • ついにアンジーの内面が語られる章のノンストップ感は
    まさに圧巻。

    カリン・スローターに限界なし。

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