スティーグ・ラーソン最後の事件 (ハーパーBOOKS)

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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596541383

感想・レビュー・書評

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  • ヤン・ストックラーサ『スティーグ・ラーソン最後の事件』ハーパーBOOKS。

    死ぬほど面白い大傑作『ミレニアム』三部作の著者で知られるスティーグ・ラーソンが生涯をかけて調査し続けた1986年のスウェーデン首相暗殺事件の未公開アーカイブをベースにしたノンフィクション。

    自分自身、1986年に起きたスウェーデンのオーロフ・バルメ首相の暗殺事件は全く知らなかった。というよりもスウェーデンという国自体を余り知らず、ヘニング・マンケルの『クルト・ヴァランダー警部』シリーズやスティーグ・ラーソンの『ミレニアム』三部作などの傑作北欧ミステリーがその風土や文化を知る切っ掛けとなったのだ。

    スティーグ・ラーソンがジャーナリストで、『ミレニアム』の主人公カール・ミカエル・ブルムクヴィストが自身をモデルにしているのは知っていた。しかし、彼がジャーナリストとしてどのような活動をしていたかなど全く知らなかった。

    1986年の2月、スウェーデン首相が家族で映画を楽しんだ後に夫人と二人で街を歩いていたところを独りの男に背後からマグナムで射殺される。男は夫人を狙って発砲するが、失敗して逃走、待っていたフォルクスワーゲン・パサートに乗り込み、行方をくらます。長年にわたり極右組織の取材して来たラーソンは首相暗殺事件の犯人像に迫る。次々と浮上しては消える容疑者。未解決となった首相暗殺事件の真相を我々は知ることが出来るのか……

    本体価格1,500円
    ★★★★

  • あの、
    二度言う あの!「ミレニアム」の
    スティーグ・ラーソンです。

    全世界を夢中にさせた小説だけではなく、ジャーナリストとしての彼の実績のノンフィクションかとも思うばかりの内容。
    首相暗殺事件の真相は闇の中?とは言え、
    ノンフィクションものとしての一冊としても読み応えが心憎いほど満載。
    ストックホルム市内の地図なんて、たまりません。

  • 判断迷うなー。フィクションに寄り切るかノンフィクションに寄り切るかした方が面白そう。

  • 初読

    ノンフィクションなのだけど半ミステリとでもいうか。
    ミレニアムのスティーグ・ラーソンが独自に調査していた
    1984年スウェーデンで起きた当時の首相オーロフ・パルメ暗殺事件。

    スティーグは雑誌「エクスポ」を創刊し、ミレニアムを世界中で大ヒットさせ
    そして2004年に急逝。

    その後、たまたま2008年にビル・ヒルアーの研究の空間構文理論、
    そこに居る人間に対して空間がどのような影響を及ぼすかという視点から
    殺人現場がどのような空間であるかについて文筆しようと
    フォン・シードゥ家の殺人事件が起こったアパートの取材から
    後にそのアパートに居住し反パルメキャンペーンを起こした
    医師アルフ・エネルストレームと女優ジオ・ペトレに辿り着いたライター、
    この本の筆者ヤン・ストックラーサがエネルストレームの調査取材の過程で
    スティーグのパルメ暗殺の調査メモに出会い、当初の目的から逸れ
    自身もパルメ暗殺の謎について調べる事になる、その経緯からもう面白い。
    そして、ミレニアムシリーズでわかっていたとはいえ、
    改めてスティーグ・ラーソンは極右やナチ、外国人排斥家との戦いが人生の命題だったのだな、と。

    とは言え、訳者と一緒でパルメ暗殺事件すら知らなかったので
    そこから南アフリカの武器輸入にまつわるアレやこれや、ついていくのは大変だった…
    いや読んではいたけど付いていけてはないかもw
    基礎知識が無い状態からのスタートはフィクションでも飲み込み難いな、
    と日々実感。
    なので、肝心のアフリカ武器取引の部分は流し読み的に。
    それにしても南アフリカのスパイ、クレイグ・ウィリアムソンは
    3年かけて国際交換留学基金IUEFに反アパルトヘイト活動家になりすまして潜入、同基金のNO2になり、
    反アパルトヘイト闘争に貢献する筈の金がアパルトヘイト支援者に横流しし農場を購入、
    スウェーデンからの使節団が来る時には反アパルトヘイト活動の拠点として見せ、普段は反アパルトヘイト活動家を拷問にかける監獄として使っていた、
    なんて映画なの!?どこの陰謀論!?といった感じ。
    本当に現実世界にそんな事が行われてたのか、、、

    興味深かったのはやはり人と人との出会い、組合せの相性、運命。
    悲劇的に我が子を2人(過失的に)喪ったジオ・ペトレとアルフ・エネルストレーム、
    アルフ・エネルストレームとヤコブ・デーテリン。
    こういう変則的というか歪なバディ要素、変に感嘆してしまう。
    スティーグ・ラーソンとエヴァ、ジェリー・ゲイブル、アンナ=レナ・ロデニウス
    のような善性の組み合わせではないにしろ…

    それにしても陰謀に加担した勢力も、歳を取るとお金に困ってたり、
    人恋しさ、自分の手柄を話したかったり、精神を病んだり、時と共に移ろう
    人間というものの儚さよ

    ヤコブの彼のような境遇、生活にも関わらずアパートメントのインテリアの趣味の良さ、
    リダが来た時の料理によるもてなし、「日常」の豊かさに
    ほ、北欧〜!スウェーデン!!と感じ入る。

  • ミレニアムの著者が残した1986年のスウェーデン首相の暗殺事件に関する調査資料をもとに著者がその真相に迫る。異なる2人の仮説、スウェーデンの極右主義、南アフリカアパルトヘイト問題等々。

    ミレニアムは小説ではあるが、著者が身を置いていた極右勢力に対するジャーナリストという立場をそのまま活かしたものだと理解できる。

    ノンフィクションではあるが、良質のミステリ。

  • 「スティーグ・ラーソン最後の事件」読んだ harpercollins.co.jp/hc/books/detai…
    面白かった!スウェーデン首相暗殺事件だけでなく、武装中立主義や、極右やイスラム過激派やネオナチなどで政情不安定なことも寡聞にして全く知らなかった。JFKより興味深いよ。スウェーデンは牧歌的と思ってたら全然違った(おわり

  • かなりの文量というのが率直な感想。パルメ暗殺自体に馴染みがないし、登場人物も全く知らない。唯一スティーグラーソンが実際に調べていた事件という事で読んでみたが、読み終えるのは大変だったが、内容は面白かった。内容の一部にケネディ暗殺にも関係した部分が出てくるが、その辺はとても面白かったし、恐らく真相に迫っているだろうと思える内容。迷宮事件に関心がある人は下山事件の最後の証言を読まれたし。

  • 202008/ミレニアムシリーズとは違って、設定や構成のせいもあってかこれはなかなか読み進めるのに時間がかかった。ボリューム的にも読み応えあったけど期待してた程夢中になって読むことはなかった。

  • ノンフィクション、、、

    ハーパーBOOKS
    https://www.harpercollins.co.jp/hc/books/detail/13145

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