王家のロマンス: 2つの物語 (ハーレクイン・リクエスト 59)

著者 : トレイシー・シンクレア サリー・カーリーン 入江真奈

• ハーパーコリンズ・ジャパン (2003年11月1日発売)

感想・レビュー・書評

[oatuinoさんの感想 · 2009年3月6日]

バンビとシンディの哀願に夜遊びを許してしまったステファニー。ディスコの前まで来るとやっぱり後悔したが、そのとき、ひとりの男が声をかけてきた…。90年刊「ハートのキング」と2000年刊「プリンスの恋」の合本。

「ハートのキング」<br>
シンデレラストーリー。旅先で出会った魅力的な男性は実は王様だったという。結婚までの紆余曲折も少し、でもボリュームがあるのは結婚してから。もともと環境も思考も違う二人がどう折りあいをつけていくのか、それにプラスされる周囲の人々。悪意と嫉妬も。割とすんなり収まってしまったのが少し残念。もう一波乱あっても。<br>

「プリンスの恋」<br>
親友の忘れ形見を育てているヒロイン、その子の叔父で王子がヒーロー。<br>
喪失と変化に怯えるヒロインが少しずつ心を開いていく。ヒーローは冷たい宮廷生活では得られなかった安らぎをヒロインとその家族に見いだす。アメリカ南部の開けっぴろげさや空気感が存分に。王室という特殊な環境で育ったヒーローがスーパーで買い物をしたりイベントに参加したりと、ごく普通の生活に馴染んでいく様子が楽しい。そしてヒロインもヒーローの言葉に自分では気がつかなかった家族の変化を感じるように。足りないところを補い合うような二人が微笑ましい。