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- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620322056
作品紹介・あらすじ
日本を代表するアナウンサーが、自分史を振り返りつつ語る伝える技術と日本語の力。
感想・レビュー・書評
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松平氏は「その時歴史が動いた」の番組中、一切カンニングペーパーなしで言葉を紡ぎ出している。秘訣は書くこと。書くという作業を通して自分の頭の中、体内に言葉を巡らせ、言葉を言葉としてではなく肉体化しているという。だからメモは捨ててしまう。その方がその時にふさわしい言葉が出るし、助詞を間違えてもパニックに陥らない。時にはつっかえたり、「おー」とか「うー」とか余計な言葉が入るが、日本語として不完全かもしれないけれど、言葉にはパッションが乗り移る。語順が乱れていても、聞いている人には伝わるもの。劇作家の平田オリザもかっちりした言葉で過不足なく伝えても却って伝わらないと言っている。そのため、演劇ではあえて「あー」とか「うー」を入れる。流暢に原稿を読むだけではあまり人の心に響かない。プロンプターに慣れてしまうと自分の発言でさえ、どこかに書いてないと不安で一言も喋れなくなる。不安定はダメだが非安定はいい。要は伝えようとする気。これが一番大事なのだ。
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