アナウンサーの日本語論

著者 :
  • 毎日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620322056

作品紹介・あらすじ

日本を代表するアナウンサーが、自分史を振り返りつつ語る伝える技術と日本語の力。

感想・レビュー・書評

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  •  
    ── 松平 定知《アナウンサーの日本語論 20130601 毎日新聞社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4620322059
     
     NHKの従兄弟 ~ A bit of a creepy casters ~
     
    …… 伊予松山藩主の久松松平氏は明治維新を機に名字を松平から久松
    に戻しているが、その傍流にあたる定知の家系は松平姓を保った。その
    松平は「まつだいら」と語頭にアクセントを置くことが正しい発音だと
    される。松平本人もそのことに強いこだわりを持っており、NHK時代に
    は部下が「まつだいら」などと異なる発音をしようものなら、その場で
    「『ま』にアクセントを置くように」と訂正することで有名だったとい
    う話が広がっているが、松平本人は「『ま』にアクセントを付けて、
    高く強く発音して呼ばないと、返事してくれないんですって?」と言わ
    れて吃驚し「私は一回もそんなことを言ったこともないし、したことも、
    ありません」と書いている[10]。
     NHK在籍時の局内でのニックネームは「殿」。身長165cm(Wikipedia)。
     
    (20231213)

  • 松平氏は「その時歴史が動いた」の番組中、一切カンニングペーパーなしで言葉を紡ぎ出している。秘訣は書くこと。書くという作業を通して自分の頭の中、体内に言葉を巡らせ、言葉を言葉としてではなく肉体化しているという。だからメモは捨ててしまう。その方がその時にふさわしい言葉が出るし、助詞を間違えてもパニックに陥らない。時にはつっかえたり、「おー」とか「うー」とか余計な言葉が入るが、日本語として不完全かもしれないけれど、言葉にはパッションが乗り移る。語順が乱れていても、聞いている人には伝わるもの。劇作家の平田オリザもかっちりした言葉で過不足なく伝えても却って伝わらないと言っている。そのため、演劇ではあえて「あー」とか「うー」を入れる。流暢に原稿を読むだけではあまり人の心に響かない。プロンプターに慣れてしまうと自分の発言でさえ、どこかに書いてないと不安で一言も喋れなくなる。不安定はダメだが非安定はいい。要は伝えようとする気。これが一番大事なのだ。

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著者プロフィール

1944年東京生まれ。元NHKアナウンサー。「連想ゲーム」や「その時歴史が動いた」「NHKスペシャル」などで活躍。近年は「下町ロケット」のナレーションも担当。徳川家康の異父弟・松平定勝を祖とする伊予松山藩久松松平家の分家の末裔。京都造形芸術大学教授、國學院大學客員教授を務める。歴史に関する著書多数。

「2020年 『一城一話55の物語 戦国の名将、敗将、女たちに学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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