同行二人 (うさぎとマツコの往復書簡4)

  • 毎日新聞社
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本棚登録 : 112
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620322360

作品紹介・あらすじ

私たちはお互いに唯一無二の存在。欲望のおもむくままに生きる「依存症の整形ババア」中村うさぎと、態度のでかい「太った四十路の女装」マツコ・デラックス。生とは?死とは?そして「わたし」とは?"魂の双子"が足を踏み入れた人生という名の迷宮。さまよう2人が行き着く先は…。死が2人を分かつまでともに歩むはケモノ道。

感想・レビュー・書評

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  • これまで一緒に雑誌を作ってきた同僚たちや上司に面と向かって「あんたのことが大嫌い」とひとりずつに毒づいて回り、挙句の果てにそんな自分にも嫌悪をもよおしてトイレに閉じこもって大泣きする…というマツコさんがゲイ雑誌の仕事を辞めるときのエピソードは知っていたけど、それに至った理由がこの本で分かった。
    「何年もの間、アタシは、会社の為にとか、同僚の為にとか、そういう気遣いをしながら、しかも読者に向けて、本心を曲げずに、思いの丈を出し切った上で、雑誌的なサービスを交えて誌面を作ろうと、たとえ実現できていなかったにせよ、そうしようと志だけは持ち続けていたわ。もちろん、そんな思いを曲げずにい続けることなんてできるはずもなく、そこは折り合いを付けつつやり過ごしていたのだけれども、一部の同僚たちの、会社だったり、読者だったりのことを蔑ろにし、己の欲望にのみ忠実な態度に我慢ができなくなった時、あんな暴挙に出てしまったのだと思うよ。」
    マツコさん、そういうことがあったんですね…。すごく分かる…。マツコさん、誠実であろうとして疲れきってしまったんですね…。

  • 蛇の下りは共感できた。誰しもが思ってはいるけど具現化できないことをやってのけた2人って感じ。

  • 中村うさぎさんの最近の考え方。人生は何の意味もない、というのがずしんとひびく。だったら私はどうしたらいいのだろう。アメリカの誰かが、人生の意味を考えることに意味はない、答えなんか出るはずがない、だから楽しく幸せに笑って過ごすことに集中すべきだと言っていて、それを思い出す。

  • 中村うさぎさんは、死線を越えて達観の境地に至った気がします。見た目は派手なお二人ですが、実はすこぶる真面目に生きていらしている。共感しあえる魂のパートナーは必要だというお言葉に納得いたしました。

  • 140515

  • 往復書簡の4冊目。今回は、私の興味の持てない政治や政治家の話がほとんどなく、話題がとても内面に向かっていたので、個人的にとても興味深いものだった。
    不器用なまでに真っ直ぐなうさぎさんとマツコさんの考えに触れ、自分も背筋が伸びる思い。
    いつも感じるけれど、うさぎさんの文章は大変読みやすく、マツコさんは若干それに劣る。これは、自分が昔うさぎさんのライトノベルを読んで育ったから?

  • 中村うさぎが”魂の双子”と呼ぶマツコ。
    マツコは相当、両親特に母親に申し訳ないと思っている心情をうさぎは理解して、もう少し時間がかかるんじゃない~と暖かく、見守っている感じがいい。

    マツコ、今年(2013年)は絶対親に会いに行くわっって書いてあったけど、行ったにかな…

  • 914.6シリーズ四冊目

  • うさぎさんがたくましい。マツコさんもお互いがお互いをおもってるんだな。辛口がいい

  • 中村うさぎとマツコ・デラックス、なんとも素敵な関係だと思う。お互いを傷付けないことが最優先事項というような表面的な付き合いが増えている中で(自分だけか?)、自分の思いを真剣に、ありのままにぶつけられる関係性は貴重だ。本当に羨ましい。
    孤独、というワードがこの本でよく出てくる。二人は「人間とは究極的に孤独な存在である」という絶対的な事実を受け入れているのだと思う。孤独だから考えるのだ。そして孤独だからこそ、彼女らは単に孤独を癒してくれるだけのお手軽な相手ではなく、自分にとって"重石"とも言えるような存在を求めるのだと思う。
    僕にはこの二人が「生きる」という言葉をその言葉通りに体現しているように思える。「生きる」とは他の誰でもない、自分自身で選択をしていくことだ。そしてその一切を引き受けてる人だ。そういった潔さがあるからこそ僕はこの二人に憧れるのだ。

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著者プロフィール

1958年2月27日生まれ。
エッセイスト。福岡県出身。
同志社大学 文学部英文学科卒業。
1991年ライトノベルでデビュー。
以後、エッセイストとして、買い物依存症やホストクラブ通い、美容整形、デリヘル勤務などの体験を書く。

「2017年 『エッチなお仕事なぜいけないの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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