- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620325088
作品紹介・あらすじ
2018年1月22日、第196回通常国会が開会しました。
安倍晋三首相は「働き方改革」への強い決意を述べ、長時間労働の是正をはじめ「同一労働同一賃金」の実現などに取り組むと表明しました。
いま日本では、「働き方改革」が政策として推進されていますが、企業の生産性向上ばかりが注目されがちです。 社会で本当の「働き方改革」が進むと、夫婦間の信頼関係が再構築され、 家庭内の幸福度が上がり、子どもたちを包み込む空気に変化が起きるのだと、私たちは実感しています。長時間労働社会では、働く人たちが疲弊し、家族との関係性に悪影響を及ぼします。たとえば、子育てや介護の現場ではイライラばかりがぶつけられます。日本の子どもたちの自己肯定感は、先進国で最も低い。少子化は加速し、社会保障負担は年々重くなる、という悪循環が繰り返されてきました。こんな社会はもう終わりにしなくてはならない。私たちはそう思っています。だからこそ、「働き方改革」をブームで終わらせてはならないのです。 「働き方改革」に独自に取り組む企業の中には、「労働基準監督署に入られた」「離職者や体調不良者が激増した」などの緊急事態が起き、焦って取り組んだために、「強制退社時間の設定」など表面的な手法に走って、結局はリバウンドしてしまう、社内の雰囲気が以前より悪くなるという失敗事例も増えています。そうなれば、「やっぱり日本の社会では『働き方改革』なんて無理」という逆風が吹いて、揺り戻しが来てしまいます。本書を手に取られた方には、先手を打って、本質的な取り組みをしていただきたいと願っています。そして何より、社員が健康にイキイキと学び、成長意欲を向上させていくような組織をつくっていただきたいのです。
本書の最大の特徴は、20社もの企業での詳細な取り組み事例を紹介していること。 働き方に大きな課題を抱えた状態からスタートした企業を、弊社のコンサルタントが2~3年かけて伴走し、一緒に障壁を乗り越えてきた過程を赤裸々に紹介しています。中には、1年間、経営トップに取り組みを反対され続けていた企業もあります。地味ではありますが、本質的な改革手法を丁寧に解説しますので、どんどん取り入れて実践していってください。全国各地の業種も規模もさまざまな企業が「働き方改革」に取り組むことによって、日本社会の長時間労働問題を根本的に解決していきましょう。
【本書で紹介する取り組み事例】
1 UQコミュニケーションズ株式会社 2 株式会社シップス 3 大東建託株式会社 4 愛知県警察 5 株式会社えがお 6 有限責任あずさ監査法人 7 大塚倉庫株式会社 8 新菱冷熱工業株式会社 9 三菱地所プロパティマネジメント株式会社 10株式会社かんぽ生命保険11日本通運株式会社 海運事業部門 12マニュライフ生命株式会社 13パナソニック ヘルスケア株式会社 14静岡県教育委員会 15岡山県教育委員会16自治体・三重県 17株式会社エムワン 18自治体・岩手県、盛岡市 19信幸プロテック株式会社 20中央官庁・内閣府
感想・レビュー・書評
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働き方改革について、目的、進め方及び具体的な手段を前段で述べ、後段はそれらを基にした取組例を大まかにまとめる構成となっています。働き方改革というと、ともすれば「残業時間削減」という安易な言葉に置き換えられがちですが、「締め付け感」を従業員に与えず、コミュニケーションを促進することで従業員満足度を向上させるとともに、少ない時間で効率よく成果を挙げるための解説がなされている良書でした。そして特に、長時間労働や非効率な業務の震源地は官公庁、自治体及び教育現場にあることを指摘されている点が秀逸でした。
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ざっくりメモ
働き方改革に取り組む企業事例が載っており参考になる本。
業務過多や長時間労働といった問題には、その業務内容自体だけを改善するだけでなく、働く従業員の働く環境、メンタルの改善をすることが重要である。関係の質を高めることが、思考の質を変え、行動の質を変え、結果の質を変える。心理的安全性を作ることも大事。 -
読了。
朝メールは、組織でやらなくても個人的には採用できたらと思いました。働く時間も大切だけど、内容のマッチングも課題かもしれない。やりがいを感じることができれば、集中して効率的に仕事できるので、時間の問題も自ずと解決されそう。 -
働き方改革が成功した企業事例を紹介した本。どの企業にも共通してそうなのは、無駄をどのように削減できるかが、またオープンな議論ができているかがポイントだと思った。
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休暇取得率100%
フレックス制度
リモートワーク
仕事見直し
属人化業務の廃止
IT投資
突発業務を無くす -
働き方改革はどこから手を付けるのが良いのか、それには多くの事例があるのが良いと考え読んでみました。
事例20社について、会社紹介と働き方改革の背景、その取り組みや成功の秘訣2〜4つ、といった内容なので、カタログのようで響きませんでした。
せっかくこれだけの事例を集めたのだから、取り組みや秘訣をマトリクス的に整理して、全体を俯瞰したり、比較出来ると良いのに、と感じます。
うーん、比較してみるか?
どの業界も苦労してること、
どの業界でも働き方改革は可能であること、
具体的手順(ゴール設定、朝メール夜メール、カエル会議、改革施策の実行)、
経営層が本気で取り組まないと形骸化すること、
反対意見へのQA集、
は参考になると思いました。
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素直にそうだ!と受け入れられない部分と世の中の流れと。
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小室さんは講演を聞いたこともありますが、今回は沢山の成功事例が載っているということで読みました。
成功事例の中の苦労話にもう少しフィーチャーしてもらえれば良かったかなと思いました。
少し成功事例が遠い話に聴こえてしまいました。