お母さんは、だいじょうぶ 認知症と母と私の20年

著者 :
  • 毎日新聞出版
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本棚登録 : 36
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620325873

作品紹介・あらすじ

認知症の祖母と孫の絆を描く感動作『ばあばは、だいじょうぶ』(5月映画公開)作者が自身の介護生活を綴る。心温まるエッセー&4コマまんが。

感想・レビュー・書評

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  • 『お母さんは、だいじょうぶ
     認知症と母と私の20年』
    文・楠 章子さん
    まんが・ながおか えつこさん

    職場の人に借りた本。
    サインが書いてあって、「明日は明日の風が吹く」というメッセージ入り。

    病気があってもなくても、変わらへん。そう思うけど、記憶が…とか、その人でなく、病気を見て話してしまうことがある。
    生活する中で、みんな不便さや生きづらさを抱えていて、どこに支障があるか、人それぞれなのにね。
    その人を見ることが大事だなと思った。
    いい本だった、読めてよかった。

    【本の帯より】
    認知症=不幸せ、じゃないよ。
    認知症を描いたベストセラー絵本&映画『ばあばは、だいじょうぶ』の著者、実母の介護生活でたどりついた明るく幸せな介護への道!
    後悔と罪悪感を抱え、たくさん泣いてきた20年。
    世の中は助け合いでまわっていると知った。
    家族の愛と涙あふれる介護エッセイ&4コマまんが!

    【本文より】
    ・共に苦労してきたトマトを、認知症になったからといって、不幸せにしたくなかったのでしょう。病気になっても幸せでいられるように、寄り添い、守ろうと決めたのだと思います。まさに結婚式の誓いの言葉・・・健やかなる時も病める時も、喜びの時も悲しみの時もです。これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くす。
    ・介護一〇〇パーセントの生活にはしない方がいいとは、ケアマネ・バナナかんもおっしゃっていました。親とはいつかお別れの時が来ます。介護一〇〇ぱーせんとあの生活だった人が、親がいなくなってはっと気づくと、仕事もない友達もいない趣味もない・・・で、一人ぼっちで倍の寂しさを味わうことってあるそうです。
    ・介護をしながら仕事をするのは、簡単なことではないですから。だからこそ、ああ、だめだ〜とくじけそうになっても、ふんばりたいです。
    ・隠さず話すようになって、私は楽になりました。閉じた介護よりもオープンにした方が、いろいろよかった。オープンにしたことで、多くの人にたくさん助けてもらいました。うす暗い中で足元が見えず、転ぶのが怖くてじっとしていたところに、みなさんがかランプの灯りを照らしてくださいました。私たちは足元が見えるようになり、歩き出せました。
     ふと見渡してみれば、世の中の人全てが心身共に健康であるわけではなく、みんなが何かしら問題を抱えていて、助けたり助けられたりしながら生きているのだと気づきました。助けられる立場になって、初めて考えるようになりました・・・さて私は、誰かを助けることができるだろうか。
    ・よし書こうと決めた時、私はくよくよするのもこそこそするのもやめました。一度しかない人生、堂々と生きていこうと覚悟を決めました。そうしてみれば、私たちのまわりはより明るくなりました。
    ・やはり人の芯というのは、認知症にも奪えない。
    ・今日どんなにつらくても、明日になれば変わるかもしれない。先のことばかり考えずに、明日良い風が吹くと信じましょう。そう信じて、下を向いて泣いていないで、さあ顔をあげて。

  • 自分の親が老いていく姿は見たくないですよ。だんだん丸くなってきた後ろ姿。おぼつかない足取り。こちらも現実を受け止めなくてはならない日がくるのですね。

  • 726
    闘病記文庫

  • 認知症の家族を持った体験、そこからわかったこと。決してつらいことだけではないこと。

  • 丁寧で優しい文章と、可愛らしい色使いの4コマ漫画が交互に現れて、完成度の高い本だと思います。仲良し家族がみんなで力を合わせても、たった一人を介護するのがこんなに大変なんだな、と思いました。

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著者プロフィール

第45回毎日児童小説・中学生向きにて優秀賞受賞。2005年、『神さまの住む町』(岩崎書店)でデビュー。『小さな命とあっちとこっち』(毎日新聞社)、『ばあばは、だいじょうぶ』(童心社)など著書多数。

「2017年 『走れメロス/くもの糸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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