村上春樹をめぐるメモらんだむ2019-2021

著者 :
  • 毎日新聞出版
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620327006

作品紹介・あらすじ

村上春樹の動向を2 0 年以上追い続ける著者が描くこれまでにない文芸ルポルタージュ。

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹の小説やラジオ、朗読会などについて網羅的に書かれているので、村上ビギナーにとってありがたい一冊。2019〜2021年の時事も所々挟まれていて、「そういえば激動の年でしたなぁ」と、振り返る時間にもなった。

  • 毎日新聞サイトに連載された記事をまとめた、村上春樹を語る本。

    村上春樹便乗本はあまたあるので警戒したが、目次を見て、インタビューも掲載されているので買ってみた。

    タイトルにあるように、2019から2020の間の毎月の社会背景が、村上RADIOで発信された言葉の同時代性で際立つ。ラジオをやってくれていたからこその連載か、という気がする。

    最後の章で映画『ドライブ・マイ・カー』を観て書かれており、一番興味深く読んだ。

    最近村上春樹は、小説の存在意義についてよく語っている。今度早稲田にできる村上春樹ギャラリーのコピーは『物語を拓こう、心を語ろう』だと言う。また、ステートメントを嫌いだとも。

    短くて分かりやすい、断言調の言葉でなく、遠回りで染み渡るのに時間がかかる、物語の力を信じてこれからも本を読みたい。

  • 新刊コーナーからなんとなく。

    村上春樹は昔から読んできた。関連本も数冊読んだけど、その中では割と読みやすかった。

    言葉にならない心をフィクションという形で比喩的に浮かび上がらせていく、読み手としてとても腑に落ちた。

    意識や論理だけではすくいきれないものを、しっかりゆっくりすくうことで、救済される人がいるんだろうな。
    でも、救済されるためには、しっかりゆっくり読む時間と能力が必要になってくる。
    これは、いろいろな人に広めたいことだな、と思った。

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著者プロフィール

1962年、大阪市生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。87年、毎日新聞社に入社。96年から学芸部で文学、論壇などを担当。2009年から学芸部編集委員。

「2017年 『批評の熱度 体験的吉本隆明論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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