創る英語を楽しむ: 暗記英語からの発想転換 (丸善ライブラリー 288)
- 丸善出版 (1999年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
- / ISBN・EAN: 9784621052884
作品紹介・あらすじ
言語教育および関連諸分野の最新理論と研究成果に基づき、新しい英語の学習方法を紹介する。「英語は難しい」「暗記は苦手」「間違えるのは恐い」といった学習者の心理面にも配慮した効果的な学び方をアドバイスし、日本人学習者の弱点を明らかにしながら、コミュニケーションの観点から英語学習のあり方を考えていく。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
「魔法の呪文」で文を生み出す能力が補えるという主張の本。
前著「英会話への最短距離 - カギはたった3つのル−ルだ!」田地野彰 / 講談社 1995/10刊の実質的改訂版。
第5章までの第I部で、現状認識と「魔法の呪文」の導入を行い、第6章からの第II部で「魔法の呪文」を詳解している。なお、前著で「だれが・する・だれに・なにを・どこで・いつ」として導入されていた「魔法の呪文」は、この本では、「だれが/する/だれ・なに/どこ/いつ」と少し改訂されている。
第1章 コミュニケーション能力の4要素 では、ゴールとしてのコミュニケーション能力を、
1.文法能力
2.社会言語学的能力
3.方略的能力
4.談話能力
に分けて説明している。
第2章 出発点は学校英語 では、1987年刊の中3英語教科書を例に取り、このレベルで日本語から英語が出てくれば、少なくとも日常会話にはあまり不自由しないだろう、と述べている。
第3章 学校英語とは? では、学校英語の欠点として、
1.形式主義
2.些末主義
3.難解な文法用語(補語、完全自動詞、不完全他動詞など)
を挙げるとともに、5文型の必要性に疑問を呈している。
第4章 学校英語を活かすには で、「80%の英語を目指す」ために前述の「魔法の呪文」を導入している。
学校英語はそんなに悪くないとの主張や、中3英語教科書レベルで日本語から英語が出てこないことを問題視する点は納得性が高いが、その解決策として、唐突に「魔法の呪文」を持ち出すのはなぜだろうか? 「魔法の呪文」に理論的な根拠があるにしても、「魔法の呪文」方式が、例えば、中3英語教科書レベルで日本語から英語を言ってみる訓練をするといった従来型の練習方式より有効性が高いか否かの実証がされていない根拠にはなるまい。 -
英語を習得するのに大切なのは「書く」ことと「話す」こと。
それを手助けするのが「魔法の呪文」
魔法の呪文とは、英語の語順のこと。
「だれ/する/だれ・なに/どこ/いつ」←この語順どおり話せば英文は作れる。