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- Amazon.co.jp ・本 (671ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622000204
感想・レビュー・書評
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これはきつかった。なにしろ第一次世界大戦と第二次世界大戦をくぐり抜けてこられた体験が書かれている。あらゆる知性もこれらの残虐を止めることはできなかった。勇気のある人はこの本を読んで、人間性のどうしようもなさに打ちのめされよう!
それにしても、読んでいて死者から語りかけられているような気分になった。もちろんすでに亡くなられた方の本を読んでいるのだから、それも当たり前なのだが、その本が書かれているということは著者は生きているということで、これらの文字が記録されている時点では未だ死んではいないはずである。他の方の自伝ではもちろんこんな感じは持ったことがなく、ツヴァイクさんは執筆時すでに死に取り憑かれていたのじゃなかろうか…
ん~ん、そう思えば太宰治の人間失格や芥川龍之介の河童を読んだ時も似たような感じだったかもしれない。感受性の鋭すぎる人は読まない方がいい。つられて絶望して自殺を企図してしまうかもしれない。
ただそれでも人類は滅亡することなく、あらゆるものを深く深く疑い疑い信じられなくなっても、それとは真逆に、信じないほうがいいだろうことをあっさり信じてしまったりしながらも、なんとか生存し続けている。しぶといなぁと感嘆もする。
まぁ、明敏だったら危難を避けやすいのだろうけどその分苦悩が増すので、良し悪しなんだろう。危難を察知したからといって必ずしも回避できるとは限らないから、案外ボォ~としているのでもいいのかも?どうせ、人は必ず死ぬ時は死ぬんだから。
Mahalo
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