生の欲動―神経症から倒錯へ

著者 :
  • みすず書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622070603

作品紹介・あらすじ

禁止の法を超えて享楽の法へ-想像的ファルスの引力が強まれば倒錯が生じる。ラカン-ジジェクを援用しつつ非合理的な動機を探求する"作田人間学"の現在。

感想・レビュー・書評

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  • 酒鬼薔薇聖斗事件(97年)で始まり、豊川市主婦殺人事件(00年)で終わる体裁を成しているが、その道筋に膨大な精神分析的跳躍が仕込まれている。ラカン、ジジェク、レヴィナスらの理論地図は容赦なく専門的で未だ取り付く島もないが、要所要所でわかったつもりになれる程度の論点整理と映画や小説等大衆作品のブレークが設けられていることもあり、飽きて投げ出すようなことにはならずに済んだ。
    <世界>の中での自我あるいは<私>というものはとりもなおさず鏡=他者とのアンヴィバレントな双数関係の連続性の中にあり、在りもしない「本当の自分」に囚われの身となるか、シニカルな態度で以って目を背けるか、どちらにも堕落したくないという贅沢なしかし本質的な欲動への寄り添いが肝である。

  • ラカン派の専門的な知識が前提に置かれているため、ほとんど内容の理解が出来ず。初心者には難解すぎた。

    実際の事例(殺人事件・いじめ)のなかでも 一般的な解釈では捉えきれないような特殊な“動機”について、精神分析をすすめている。

  • あまり期待していなかったのに、意外にもすごく面白かった。
    巻頭の酒鬼薔薇少年のことや、悪、いじめ、ナルシシズム、オタクなど、ラカンやジジェクを援用しながら、興味深く論述されている。
    この著者ちょっと気に入りました。

  • 2009/
    2009/

    この方の社会と文化という本を読みたい。

  • くどい。でもフェティシュはじめ複雑ないじめまで解説している。

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著者プロフィール

作田 啓一(さくた・けいいち):1922-2016年。京都大学文学部哲学科(社会学専攻)卒業。京都大学名誉教授。主著である本書のほかに、著書には『増補 ルソー』(筑摩叢書)、『ドストエフスキーの世界』(筑摩書房)、『個人主義の運命』(岩波新書)、『生成の社会学をめざして』(有斐閣)、『三次元の人間』(行路社)、『生の欲動』(みすず書房)などがある。

「2024年 『価値の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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