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- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622075097
作品紹介・あらすじ
1955年、はじめてアトリエを訪問。以後56‐57年、59‐61年の間、総数230日にわたってモデルとしてポーズをとりつづけた哲学者がアルベルト・ジャコメッティとの対話を詳細に書きとめた6年間の記録(全2巻、本巻は59‐61年の記述を収録)。
感想・レビュー・書評
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矢内原氏の手帖最終巻で、1959‐61年にモデルをした時のジャコメッティとの会話が綴られる。セザンヌやマティス、コローやピカソなど多彩な画家への独自の解釈が興味深く、ベケットに依頼されたゴドーの舞台装飾制作の様子や、友人サルトルらとの交流、当時公演された戯曲の様子などが綴られ、1巻より当時のパリの空気が感じられてくる気がした。日々描いては消す、恐ろしい程に厳しい制作の日々。作品を見る度に啓示のような言葉が思い出されてくる。「今日の午後、私は君の耳の背後に空虚を見た。それは全宇宙が入る深淵だ。」
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日記だから当然なんですが、あまりにも赤裸々な内容で、変な三角関係に驚きました。またジャコメッティの作品に対しての真摯な態度には脱帽です。ヤナイハラは哲学者なので、ジャコメッティの弓道的な絵を描いているのか実存を見つめているのか、耐えられないほどの緊張感と苦悩や挫折の中、よくモデルをしていられたのでしょう。ほとばしるような魂の記録です。
気に入らない作品はどんどん廃棄されているようでしたが、1ファンとしては、1枚、1個ぐらい欲しかったです。
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