誕生のインファンティア――生まれてきた不思議・死んでゆく不思議・生まれてこなかった不思議
- みすず書房 (2015年4月23日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622078784
作品紹介・あらすじ
子どもの頃、死んだらどうなると思っていたか。大人の理解とどうのか。子どもより大人のほうがわかっているのか。死を初めて意識した記憶、赤ちゃんはどこから来ると思っていたか――死と生にまつわる子どもの頃の記憶を聞き取り、フロイトやクラインの精神分析、胎児をめぐる諸研究や生殖補助技術で生まれた子どもたちなど、さまざまな出生と死の位相をわたりあるく。死生学を「子どもの頃」の視点から考え直す、かつてない試み。
感想・レビュー・書評
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インファンティアとは「子供の頃に感じた、言葉によって写し取ることのできない、在ることの不思議」であると著者は言う。本書は「誕生前の非在」、「死後の非在」、そして生まれてこないことが続いている「不生」を考える。どれも存在していないという点で同じであるが、なぜこれらは私達には異なるものとして迫るのだろうか。不生のあり方について、現象学と臨床心理学、事例研究と文学、生殖医療とおとぎ話を行き来しながら、著者は無限にいる不生の存在に切なさを感じる。そしてその切なさはいとも簡単に僕に伝染した。(岡ノ谷一夫)
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