誕生のインファンティア――生まれてきた不思議・死んでゆく不思議・生まれてこなかった不思議

著者 :
  • みすず書房
2.25
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622078784

作品紹介・あらすじ

子どもの頃、死んだらどうなると思っていたか。大人の理解とどうのか。子どもより大人のほうがわかっているのか。死を初めて意識した記憶、赤ちゃんはどこから来ると思っていたか――死と生にまつわる子どもの頃の記憶を聞き取り、フロイトやクラインの精神分析、胎児をめぐる諸研究や生殖補助技術で生まれた子どもたちなど、さまざまな出生と死の位相をわたりあるく。死生学を「子どもの頃」の視点から考え直す、かつてない試み。

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  • インファンティアとは「子供の頃に感じた、言葉によって写し取ることのできない、在ることの不思議」であると著者は言う。本書は「誕生前の非在」、「死後の非在」、そして生まれてこないことが続いている「不生」を考える。どれも存在していないという点で同じであるが、なぜこれらは私達には異なるものとして迫るのだろうか。不生のあり方について、現象学と臨床心理学、事例研究と文学、生殖医療とおとぎ話を行き来しながら、著者は無限にいる不生の存在に切なさを感じる。そしてその切なさはいとも簡単に僕に伝染した。(岡ノ谷一夫)

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著者プロフィール

1957年生まれ. 専攻, 教育人間学, 宗教心理学, 死生学, 哲学. 現在, 京都大学教育学研究科教授.
著書,『エリクソンの人間学』(1993), 『魂のライフサイクル──ユング・ウィルバー・シュタイナー』(97), 『教育人間学のために』(2005), 『世阿弥の稽古哲学』(2009, 以上, 東京大学出版会), 『無心のダイナミズム──「しなやかさ」の系譜』(岩波現代全書, 2014), 『誕生のインファンティア』(みすず書房, 15), 『稽古の思想』(2019), 『修養の思想』(2020), 『養生の思想』(2021, 以上, 春秋社), 『東洋哲学序説 井筒俊彦と二重の見』(ぷねうま舎,2021)ほか.

「2021年 『東洋哲学序説 西田幾多郎と双面性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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