- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784623051038
感想・レビュー・書評
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請求記号 146.8/Wa
自己評価分析の理論と方法、実践例について述べた本。
「(社会的)自己形成における自己評価の試み」:
自己形成の過程では、自己評価を上げるよう努めたり、下げないよう守ったりしている。
自己評価は、特定の他者(一人ないし複数の集団)を基準とした上で、場面により以下3つのパターンのどれかを用いて行われる。
1.特定の他者が持っている価値に沿い、承認されるよう努める
2.特定の他者が持っている価値と同じものを志向し、まねる
3.特定の他者に勝つこと/負けないことに価値を見出す
自分が何を価値基準に置いて自己評価を行っているかは、慣習的に繰り返されており意識されていないという意味で無意識的である。
ときに、自己を肯定的に評価しづらかったり、自分の存在価値を低く見積もってしまいそうな場面を体験する。ふだん行っていた自己評価のやり方で対処できないときに「自己評価不安」の状況に陥るのだが、自己評価不安を払拭するため(=自己の価値を保つため)にとる行動は、自己評価の基準を自覚的に意識していないこともあり、本人にとっても後から考えると理解しづらいものであったりする。
「自己評価不安」の場面を対象に自己評価分析を実施すると、自分が何を価値基準としていたかに気づくことができる。これにより、その状況でとった行動や、そのときの思考、感情に至った理由も分かる。
価値基準というフィルターを取り除いて自分を見つめなおすことで、自分をより深く理解することができるようになる。同時に、フィルター越しでないため他者をより自然に認めることができるし、他者も自分と同様にフィルターを通して物事を判断しているのだと理解し受容することができる。
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自分の(存在)価値を守るために、私たちはいったいどれだけ固定化した価値・固定化した思い込み・そして固定化した思考回路を使って、オートマチックに行動や思考を行なっているのだろうかということを思い知らされます。自己評価分析はそういった固定観念から自己を解放し理解を深める手助けになるようです。詳細をみるコメント0件をすべて表示