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- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784623056033
作品紹介・あらすじ
一九七〇年代にマトゥラーナが発表し、一九八〇年代にルーマンがさまざまな分野への応用の可能性を開き、一九九〇年代に河本英夫が日本へ紹介した、画期的だが難解で知られるオートポイエーシス論。その新しい、わかりやすいモノグラフ。本書は、従来の論点を整理、解説するとともに、新しいアイディアをも盛り込み「使えるオートポイエーシス論」を目指す。
感想・レビュー・書評
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オートポイエーシスとは、自己創出という意味であり、自立的に成立している種々のシステム(生命、認識、言語、社会etc, etc)を捉えるための認識論である。オートポイエーティックなシステムで着目すべきことは、構成素を出力する産出プロセスのネットワークであり、「産出されたものがあれば、それを産出したプロセスがある」なのだそうだ。
本書は、オートポイエーシス論によるオートポイエーシスの解説をうたっているが、そのためには、解説する意識(認識)もオートポイエーシスにより成立してなければならない。意識は、オートポイエーシス的には神経系を構成素とする産出プロセスであるが、そこから一気に意識が創発するという説明では納得できない。やはり、意識発生のメカニズムの解明が待ち望まれる。とはいっても、オートポイエーシスは興味深いものの見方なので、あとはオートポイエーシス的な解釈を具体的にたくさん構成してほしいものである。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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