トイレ:排泄の空間から見る日本の文化と歴史 (シリーズ・ニッポン再発見)

制作 : 屎尿・下水研究会 
  • ミネルヴァ書房
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本棚登録 : 79
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623078387

作品紹介・あらすじ

縄文時代の遺跡から出土した糞石の分析から、縄文人が桟橋からお尻をつきだして排泄していたことがわかった。これを「桟橋式トイレ」という。水に流すということでは今でいう水洗トイレだ。トイレのことを「厠」ともいうが、この語源は「川屋」(川の上に作った小屋)、すなわち桟橋式トイレだと考えられている。そうした大昔の話から、江戸時代の循環型社会のしくみや、現代のクールジャパン的トイレの話まで、トイレや屎尿処理に関する好奇心をくすぐる話を紹介。



[ここがポイント]
◎ 巻頭カラーページでトイレにまつわる資料を紹介。
◎ 世界最古のトイレはしゃがみ式か腰かけ式か、その謎に迫る。
◎ 便所紙として使われた化粧紙の蘊蓄話。
◎ 船のトイレ、列車のトイレはどうなっているのかがわかる。
◎ ウォシュレットを開発したTOTO物語を巻末に掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 2023年1-2月期展示本です。
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  • トイレ 屎尿下水研究会 ミネルヴァ書房

    江戸のまちは循環型のエコシティーだった
    トイレから見るニホンの文化と歴史
    人間が街を構成して大きな社会を作るほど
    自然界全体の流れによる自然循環から外れてしまい
    ゴミや屎尿の処理を人工的に工夫しなければならなくなる

    こうした問題が表面化するのは
    すでに定住生活を始めていた縄文時代に始まる
何故か川を利用する水洗トイレが世界中で発見されている
    動物と同じ無しゃがみ型のウンチングスタイルが基本なのだけれど
イス型あるいは壺型の座るタイプは中国や西洋に期限がありそうだ
    しかしニホンにも壺にまたがるオマルは平安期に見ることができる
    西洋でも今現在駅の公衆便所などあるいはニースやアルルの田舎に入ると
    しゃがみ型の水洗トイレがある

    人工的な下水システムが本格化されたのは16世紀のイギリスで
    エリザベス女王の思いからだとされるが
    これも秀吉による大阪の街で大規模な下水システムが
    施工されていることもあり何とも言えない
    ニホンの場合は屎尿が肥料として売り買いされる商品価値があり
    捨てるものでなかったことが他の国と違うようで
    江戸のような大都市になっても船などを利用して農家に売る
    循環システムが機能していた
    こうした商品価値がほそぼそとでは合っても
    世田谷などの郊外で昭和の30年ごろまであったように思う

    使い捨てるという考え方は消費を価値とする資本主義的な発想である
循環させるという発想が大自然と調和をして行く意識環境のあり方である
    すでに人間社会も選民的支配の時代は末期的状況となっており
地産地消を徹底的に考慮する生き方を見直す時期に来ていると思う

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著者プロフィール

浄化槽や下水道の普及とともに屎尿の汲取り・処理・処分の仕事は縮小し、トイレ・屎尿に関わる歴史的事実や技術的成果が忘れられようとしている兆しを感じた者たちにより、NPO日本下水文化研究会内に平成10年に立ち上げられた研究会。会員は、便器の設計者、屎尿処理の研究者、下水道・清掃関係の行政担当者、紙の研究家、教育関係者等20名ほど。日頃はなんとなく口にすることが憚られる屎尿や便所などについて、互いに情報を交換し合っている。

「2016年 『トイレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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