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- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784624300821
作品紹介・あらすじ
原を、政党人でありながら藩閥勢力と妥協し癒着した政治家であり、一般国民に背をむけた権力政治家のひとりとして消極的に位置づける見解もしばしばみられるが、だいたい前田『原敬伝』いらい、原についての評価は、その政治的手腕によって、日本の政治をそれまでの藩閥権力から政党政治へと展開させた点にポイントがおかれてきた。原をたかく評価するものも批判的な観点をふくむものも、おおくはそのような位置づけはほぼ共通している。本書は、おもに第一次大戦の開始から首相在任中暗殺によって政治活動を終えるまでのあいだの原敬の国家構想の全体像と、それのもつ意味をあきらかにしようとするものである。
感想・レビュー・書評
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国際社会と日本というわりには、あまり国際関係における原の考え方がくわしく論じられてなくて残念。「英米強調路線」ということと、あとは先行研究の批判で終始している気が。
せっかく国内政策についてもふれているんだから、幕藩体制の崩壊とか中国を巡る利権とか、内外の要素を絡めて原政権の評価をしてほしかった。
最後も原の暗殺があったっていうので終わっているし。原政権の現代における意義は同じ世界の「大転換期」という環境の中でいかに国際関係を捉えていたか、大国の仲間入りをした日本をいかに国際レジームの中で責任ある立場にしていくのか、というテーマであったはずなのに、それについての筆者の意見は皆無。
アウトラインとしてまなぶならいいかもしれんけど、期待はずれ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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