歴史家と母たち: カルロ・ギンズブルグ論 (ポイエーシス叢書 22)

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  • 未来社
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784624932220

作品紹介・あらすじ

現代イタリア歴史学の鬼才ギンズブルグの独得の論理と方法をめぐる、イタリア思想史研究の第一人者による包括的かつ批評性豊かな画期的研究成果。

目次
まえがき

歴史家と母たち──『夜の歴史』を読む
 一 エピグラフの意味するもの
 二 陰謀──ある事件史の試み
 三 ヴィトゲンシュタインを読んだフレイザー
 四 形式と歴史 
 五 構造──論理か経験か
 六 持続の謎と人間の本性
 七 結び──わたしのヴィーコから
 後記 プラトンとカントのあいだで
神は細部に宿るか──ミクロストリア考
 一 発端──『アナール』派ヘの批判と対抗 
 二 十年後の中間総括──観察規模の縮小実験の成果
 三 残る課題1──「厚い記述」と形象化
 四 残る課題2──マクロとミクロの存在論的差異
表象と真実──ヘイドン・ホワイト批判に寄せて
 一 はじめに
 二 懐疑と実在原則
 三 ゆがんだガラスとしての証拠
 四 ホワイトは懐疑家か
 五 フィクションとヒストリー
 六 展示と引用
補論 アウシュヴィッツと表象の限界

感想・レビュー・書評

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  • 『闇の歴史』、ミクロストリア、ヘイドン・ホワイトとの論考を主な焦点として、カルロ・ギンズブルグの仕事を、彼が言及した相手方の文脈から照射し返し、減点法によってその理解の不足を指摘するもの。関連する研究者や問題の系について手っ取り早く概観するには便利だが、歴史学の側からの問題関心には必ずしも十分な注意が払われているとは言いがたく、複数の大家の発言の影にかくれそれらの発言を操っての批判は、つまらない紙上プロレスを見ているようで、あまり生産的とは言えない。参考文献表はないが、注に言及あり。

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著者プロフィール

1941年生まれ、東京外国語大学名誉教授。専門は学問論・思想史。
主な著訳書
『歴史家と母たち——カルロ・ギンズブルグ論』(未來社)、『歴史的理性の批判のために』(岩波書店)、『回想の1960年代』(ぷねうま舎)、『ヴィーコ論集成』(みすず書房)、『ヘテロトピアからのまなざし』(未來社)など。翻訳は、ヴィーコ『学問の方法』(佐々木力と共訳、岩波書店)、『イタリア人の太古の知恵』(法政大学出版局)、『自伝』(平凡社)、『新しい学』1744年版(中央公論新社)のほか、アガンベン『身体の使用』(みすず書房)、グラムシ『革命論集』(講談社)、ホワイト『歴史の喩法』(作品社)、ギンズブルグ『ミクロストリアと世界史』(みすず書房)など多数。

「2018年 『新しい学の諸原理[1725年版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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