新釈漢文大系〈17〉文章規範(正篇)上巻

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  • 明治書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784625570179

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  • 15頁:前鄉貢進士:韓愈は……進士試験……第一次試験を通過したが,第二次試験は……三回落第した。
    ・宮崎市定『科挙史』/太田次男『中唐文人考』/大木康『不平の中国文学史』などによれば,韓愈は礼部による進士の試験に貞元八年(792)に及第して官吏となるための必要条件をクリアした。しかし,実際に官吏に登用されるためには,さらなる吏部による採用試験に合格する必要があった。韓愈はその博学宏辞科(身言書判)の試験に三度つづけて落第した。唐代,進士に及第したものの,いまだ授官せざる者を前進士という。
    ★唐 李肇『國史補』卷下:進士為時所尚久矣。……投刺謂之「鄉貢」,得第謂之「前進士」。
    47頁:將……不辭也(將に……辭せざるなりと)。
    ・たぶん「將に……辭せざらんとするなりと」。
    47頁:愈之彊學立行。
    ・富山房『漢文大系』第18巻など,「立」を「力」に作る。『禮記』中庸:「好學近乎知,力行近乎仁,知恥近乎勇」や『揚子法言』修身:「是以君子強學而力行」などの用例からしても語釈には「力」に作る本もあることを挙げた方がよかったと思う。『後漢書』馮衍傳注:「力行謂盡力行善道也」。「立」「力」,いま同音。
    509頁:この宮殿へ流れこんで垣となっている。
    ・注「堀とした」によれば,「垣」は「堀」のあやまりであろう。

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著者プロフィール

1920-98年。東京帝国大学文学部卒業。東京大学文学部中国文学科教授、同名誉教授。著書に『風月無尽 中国の古典と自然』、『中国文学史』(いずれも東京大学出版会)、訳書に『唐詩選』(岩波文庫)、『中国怪異譚 閲微草堂筆記』(平(★正字)凡社ライブラリー)などがある。

「2018年 『精講 漢文』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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