- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784625572074
感想・レビュー・書評
-
O4-1/30-1/1
1998年1版1刷を所蔵詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東洋医学とは、狭義の意味では古代中国文明から発祥した医療体系を指します。そのために、東洋医学の根底には、中国の思想である陰陽説、五行説といったものがあります。この根底にある中国思想の理解なくして、鍼灸、特に古典的な治療をすることは出来ません。木→火→土→金→水という相生関係や、木剋土、土剋水といった相克関係などは制化の関係とも呼ばれ、病症部位の把握、証の決定、配穴など、あらゆる場面で活用していかなくてはなりません。単なる思想の枠を超え、身体を理解するためにも応用できるところに、五行説の奥深さを知ることができます。
この五行についての百科辞典が、この『五行大義』です。この明治書院の『五行大義』は、本文、書き下し文、そしてその訳など、とにかく詳細に記されています。著者である中村璋八先生は、鍼灸の学会での講演歴も多くある方で、陰陽道などにも詳しい、五行のエキスパートであります。難解な部分も、平易に解説してくれていますので、お勧めです。五行学説をまとめた本は他にもありますが、こういった原著を持っていることは、何かのときに辞書的な利用としても役に立つものです。少々効果ではありますが、古典的な鍼灸を求めている方には、ぜひともそばに置いておくことをお勧めいたします。
後述していますが、同じ中村璋八先生の五行の入門書に、『陰陽五行学説入門』 中村璋八著 たにぐち書店というものがあります。こちらもご参考になってみてください。