- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784627854314
作品紹介・あらすじ
“魅力的で情熱的...成果主義的な子育てのアプローチへの、歓迎すべき修正案”――『ガーディアン』紙
“親、もしくは親になろうとしている人の必読書”――『ファイナンシャル・タイムズ』紙
“深い調査にもとづく一冊”――『ネイチャー』誌
「ひとりで寝かせるべき?」
「添い寝をすべき?」
「習いごとをさせるべき?」
「それとも、遊びを優先すべき?」
よき親として「すべき」ことは何かを求め、日々悩みが尽きない現代の親たち。しかし、数十年にわたり子どもの学習を研究してきたアリソン・ゴプニック氏によれば、巷の子育ての「べき」論(=ぺアレンティングの規範)には根拠が乏しい。そればかりか、子育てを仕事のように捉える発想自体が、最新の科学的知見に反するのだ。
ほかの動物と比べ、人間の子育てには特殊な点が多い。人間の子どもは、異常に長い期間、親やそれ以外の大人たちから世話を受ける。見る、聞く、遊ぶことすべてを通じて、生まれ落ちたこの世界について知っていく。
・進化の過程で、人間の親子が獲得した「育て、育てられる」関係とは?
・発達研究が明らかにしつつある、子どもの持つ驚くべき学習能力とは?
子どもは親の思いどおりになんて育たない。それこそが、子どもが「学ぶ力」を持って生まれてくる意味なのだから。
発達心理学の第一人者が贈る、優しさと意外性に満ちた、親子の科学。
「アリソン・ゴプニック氏は…当世で最も独創的な研究者の一人である。…加えて、母親でもあり、祖母でもある。その彼女が、世の中にあふれかえる育児書に対する不満をぶつけて書いたのが本書である。…子育て本を書く人も、教育関係者も、親も、子どものことを知らなさすぎる。…大人が思っているよりも、子どもは学習が上手な存在だ。」
――解説:森口佑介(京都大学准教授、『おさなごころを科学する』著者)
感想・レビュー・書評
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ペアレンティングというアメリカで一般的となっている言葉についての批評と反論が書かれた本。ペアレンティングとは親をすることで、子どもをいかに優秀にいい子(隣の子より秀でた子)にするかの方法論に執着している親のことを言うらしい。日本の英才教育のようなものだと思う。
親になるということは、自分の子が大人になった時にいい評価を得ることが出来るよう、マニュアルを必死に学び、今できることを探して努力する。その先に待っているのは、疲弊した親と子である。このような親を筆者は木工職人と呼び、そうではなく、庭師職人であるべきだと述べる。
庭師職人とは、安全な環境を整備し、植物が自由に、育つのを見守るようなイメージである。 そもそも、親と子は、別人格をもった人間であり、異なる目標、価値観、夢を持っている。特に子どもが小さい頃は、子どもは自分のものだという誤った思い込みを抱きやすい。自分に出来なかったことを押し付ける親やら自分色に染めたがる親だ。
子どもを育てるというそれ自体に価値があり、親と子というのは唯一無二の存在である。子どもを愛するということが出来れば、それでいいというのが、簡潔に言ってしまえば本作のメッセージであると思う。
3ヶ月後に親になる自分にとっても胸に刻んでおきたいメッセージだと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カリフォルニア大学バークレー校 心理学の教授、アリソン・ゴプニック氏が著者。
子どもの学習と発達について研究している方で、参考文献もとても多く、気になったものについては元の論文をあたることができる嬉しい本でした。
筆者は哲学の客員教授でもあり、本書中には哲学的な話も多くありました。(哲学者アイザイア・バーリンの「多元的価値」の引用など)
「親は庭師」というお話は、今年読んだオードリータン氏のお母様の本とも通じていました。(庭師は、昔からよく言われる例えなのだそうです)
本書中で登場する場面はほんの少しでしたが、著者のパートナーはアルヴィー・レイ・スミス氏、ピクサーの共同創業者なのだそうで、新しいテクノロジーと子ども、についての章も面白かったです。 -
興味もあるし、書いてあることも納得できるが、なぜか全然進まない本。相性が悪いのかな。
子育ては、「庭師」のように生育しやすい環境に注力すべし、という主張は同意。天気が悪かったりして不運だったり、予想外の成長もあったりするもんだしね。 -
要は子育ては、設計図はなく、イギリスの庭のように土壌を育てることしかできないとする。そのための具体的な話があまりない。