- Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634591295
作品紹介・あらすじ
古戦場は、後世の人々の強い思いが充満した空間であるだけに、ただ現地を訪れるだけだと、そんな強い思いに触れるのみで終わってしまう。けれども、現場に立って、アンテナの角度を少し変えて土地の記憶に耳を傾けてみると、当時の人々が行き交う様子が見えてくる。そのうえで、なぜそこが戦場となり、軍勢がどう動き、どのような勝敗がついて、そして後世にどのように語られたのか。古戦場、それも〈大敗〉がおこった古戦場を著者が訪れ、現地の地形や現在の景観、そして史料や地図から浮かび上がる様相を組み合わせ、「なぜ、そこは戦場になったのか」を考える。
感想・レビュー・書評
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有名な戦いのわりに意外と不明な点が多いことに驚いた
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歴史上の古戦場を地図に重ねるだけでなく、なぜそこなのか、なぜそこで大敗したのか、を考えるのっておもしろいな。
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なぜそこが大掛かりな合戦の場となったのか。景観は大きく変わっても、地勢上の特色は今日変わらぬ一面もあり、フィールドワークを通じたアプローチは合理的に感じた。桶狭間の戦いの章では、決戦地周辺の要塞や砦が海に近い事実を述べ、元来交易ルートとして重要地だった事、また当日の潮の干満が行軍に及ぼした影響など、なる程と思わされた。地図の多用も本書の特徴で、視覚的に両軍の進路が把握できるし、今日の地理とつき合わせられるのも便利。戦場すなわち境界であり、そこが境界たるべき理由も常にあった。戦争は人と人が行うものだが、それが行われる土地の宿命というものを考えさせられた。
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東2法経図・6F開架:210.47A/Ku77s//K