- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634640320
作品紹介・あらすじ
この三十年ほどの歴史研究の進展によって、高校世界史の教科書は大きく書き替えられている。高校教師の視点から、新しい世界史をどう教えるか。日々、研鑽を積み重ね、議論をくりかえすなかでまとめられた10本の研究報告。
感想・レビュー・書評
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K2a
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世界史を一通り抑えた人のための本。興味のあるところは面白いんだけれども、詳しくないところは全然思い出せずに困った。
それでもザビエルの異教徒弾圧をはじめ、知らなかったことが色々と書かれていて面白い。フランス革命はフランスの学校で教える時間よりロシアで教えてる時間の方が長いとか、トリビア的な知識も満載。 -
世界史の教科書が歴史学の最新の研究成果にどう反映されているのか、これからどの方向に向かうべきなのかが各地域、各時代ごとに述べられています。著者は神奈川県の現役高校世界史教員達。当該時代の当該地域の専門家ではないのですが、長年世界史を授業していた人たちだからこそ語れることもあります。以前はヨーロッパ中心主義、階級闘争史観など良くも悪くも世界史を貫く軸がありましたが、近年では多元的で複合的な理解をしないといけません。私たちは果たしてそういう視点から授業を組み立てることができているのでしょうか。一つの“軸”(よく言えば史観、悪くいえば固定観念)にとらわれてはいないでしょうか。“軸”を作ってそれを基準に教えた方が生徒達も理解しやすいし、何より“楽”です。しかしそれで本当に世界史を理解させることになるのでしょうか。この本を読み、改めて日々の教材研究の大切さを学びました。