- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634640597
作品紹介・あらすじ
アステカ王がコルテスに贈った工芸品、メディチ家やハプスブルク家のコレクションとしてヨーロッパ各地に散ったモザイクや羽毛細工の名品たち。歴史のなかで翻弄されたアステカ工芸品を通して、一国史を超えたヒトとモノの交流を考える。
感想・レビュー・書評
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図書館の新着本コーナーにて。表紙にある双頭の蛇は、ほかの本で見覚えがある。
略奪されたアステカ工芸品はスペインからドイツやイタリアへと流れていった。ヨーロッパには、新大陸の工芸に限らず珍しいものを集めてワンダールームに飾るコレクター熱があった。それらの品はほとんど現存していないし、残ったものも来歴が不明なものがほとんど。
メディチ家や、ボローニャに流れたコレクションについて主に述べられる。著者はボローニャ大学にいたことがある。ボローニャの数々のコレクションはイタリア統一の過程でローマの博物館へ。そうして公立の博物館(ほかに大英博物館など)にたどり着いたものが現代まで残っている。
19世紀から20世紀前半にかけての人類学の展開。文化進化説(「ダーウィン的」、自然主義の誤謬とも言えるか)、文化伝播説(文化要素の比較重視、ロマン主義的な感じがする、『金枝篇』)、機能主義(フィールドワーク重視)、相対主義(ボアズ、アメリカで盛んに)。
ゼリア・ナトル。メキシコ人の血を引く女性考古学者。美人だ。文化伝播説。忘れかけられているそうだが、いかにもトランス・アトランティックな人物として取り上げられている。アステカの大きな羽根飾りが頭飾りであると論証した。
「保存」か「更新」か。更新推し。円環的な時間とか難しいことを言っているが、まあそうだよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示