- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634640948
作品紹介・あらすじ
本書は、『もういちど読む山川世界史』を読み、さらにもう少し深く歴史を知りたいという読者の要望にお応えし、『詳説世界史研究』をベースに、アジア編とヨーロッパ・アメリカ編の2冊に分けて歴史を紹介するものを用意いたしました。
『詳説世界史研究』は、政治史や国際関係史を軸に古代から現代までの世界を、オーソドックスな内容で、かつ最先端の研究成果に十分目配りした概説書です。ただそれだけに、どうしても厚くなり、自宅や図書館で読むならともかく、簡単に手にしにくいのは確かです。そこで、その内容を精査して簡易化し、ビジネスパーソンはじめ世界史に興味を持った読者が手に取り、読みやすいように再編集しました。
歴史への関心は、古代から現代までのプロセス、つまり現代はどのようにして形成されたのかを知りたいというところに大きな目的があります。このことを考えると、2分冊する方法として時代で分けるのではなく、アジアを中心とした東洋と、ヨーロッパ・アメリカを中心とした西洋に分けるという方法を採ることにしました。この方法にも批判はあるでしょうが、すくなくとも18世紀末までは、東洋と西洋はそれぞれ相対的に的世界であったのも事実だからです。その意味でも東洋と西洋を合わせて読んでいただければ幸いです。
アジア編ではオリエントからイスラームにつながる西アジア、中国・朝鮮・日本を含めた東アジア、インドを中心とした南アジア、東南アジアの諸国、そしてアフリカを網羅し、それぞれ独自の価値観を持って紡がれたアジアの歴史をたどります。
ヨーロッパ・アメリカ編ではヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、近代以降のソ連圏中央アジア、オセアニアを扱い、古代地中海世界にはじまる「西洋世界」が、現代に至るまでどのような道を歩んできたかをみていきます。
感想・レビュー・書評
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いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。
私たちの年代の中には、「山川世界史」というとピッとビットが立つ人が一定数いるだろうと思います。私もそのうちの一人です。
さて、本書、やはり “山川の世界史” ですね。古代から現代までの「時間軸」を基本にして、「地域別」に、「政治・経済・文化」といったジャンルごとに人名・地名・エピソード名などを並べていくという“形式”は不変です。
とかく“無味乾燥”と揶揄されますが、こういった構成の書籍も「俯瞰的入門書」としては有意義だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アジア(とアフリカ)の記述が増えた分、とかく西洋史に比重が偏りがちな「世界史」に比べて充実度が高い。非西欧という広大な範囲だけに概説的内容にはなるものの、書くべきポイントと因果関係を適確に押さえた文章は、一文一文が練られており、史観も近年の研究や議論を踏まえた極力フラットなものになっている。参考書風な太字は用いず、代わりにページごとに参考図書をふんだんに付記し、学びの広がりに配慮している。総じてバランスの良さが特徴で、歴史の復習に迷いなくお薦めできる一冊。
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高校教科書を思い出すが、各箇所ごとに新書や世界史リブレットなどの参考文献を多く挙げており、読みたい本リストが増えた。
東・東南アジアを中心に読む。五代十国が半頁強なのは後周好きとしてはちょっと残念。明清代の都市生活は文化豊かでけっこう楽しそうだ。また日本は遅れて来た帝国主義といわれることがあるが、地域を横串で見ると、1920〜30年代はWWI後の情勢や植民地下で育った世代の存在などで民族運動が高まり、エジプトなどこの時期に独立した国がある。特に30年代の露骨な日本と対比させて考えてみた。
自分が高校生の頃とは変わった用語もある。セポイがシパーヒー。または東学党の乱と義和団の乱はそれぞれ甲午農民戦争と義和団事件。一方で黄巾、紅巾、白蓮教徒はそれぞれ「乱」のままなので、区別があるのだろう。 -
メソポタミア文明から習近平まで、アジアの歴史をまるっと一冊にまとめた本。
学生時代は暗記→テストのための山川の世界史だったが、大人になって、いろんな知識を得て、かつ、いろんな国に訪れてから読む、「テストのためではない」山川の世界史は、とても面白かった。