「槍・穂高」名峰誕生のミステリー 地質探偵ハラヤマ出動 (ヤマケイ文庫)
- 山と渓谷社 (2014年2月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635047722
作品紹介・あらすじ
北アルプスにはいくつかの地質ミステリーがある。たとえば梓川には失なわれた清流伝説があり、高熱の火砕流で四方を焼き尽くした槍・穂高も火山噴火の謎に包まれていた。そうした北アルプスの造山構造に、「地質探偵」原山教授が踏み込み、従来の学説をくつがえすような最新の成果が解き明かされる。探偵ものにはつきもののワトソン役は、長年の友人であるライターの山本明が担当し、地質探偵ハラヤマとともに謎の解明に当たる。
感想・レビュー・書評
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遠くから見ると同じような色合いをしていても、
実際に登ってみると
それぞれがまったく異なる表情をしている「山」。
いろいろな表情を見せてくれる山の
壮麗な姿ができあがった過程を
分かりやすく解説しています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
地球という物語のほんの僅かな瞬間の山の造形を、今生きている人は観させてもらっているんだなと感じられるとても感動を与えてくれる本だった。
自分の眼で改めて地球の歴史を辿って登山をしたいと思った。
山好きな人ならとても興味を持てる本なのでお勧めしたい。 -
2017/11/10購入
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北アルプスの山々の成り立ちが、物語として読めてイメージしやすく楽しく読めました。この本を持って穂高に行きたい。
「思うに森羅万象、流転の中に槍・穂高もある。隆起とそれに対する反作用の侵食によって、場所によっては三〇〇〇メートルのカルデラさえ姿を残さず、内部に堆積した硬質の岩=溶結凝灰岩さえ跡形もない。槍・穂高も『うたかた』だった。道の脇にひっそりたたずむ、この一億五〇〇〇万年前に生まれた頁岩の露頭だけが創生ドラマのすべてを見届けてきた。私はその崖に背をもたせて、穂高を仰ぎ見た。目前の風景も悠久の流れの一シーンでしかない。将来はどんな変貌をとげるのだろう。まるで午睡のなかにあるように、穂高は静かにそびえ立っている。」p.167より