ヤマケイ文庫 おらが村

著者 :
  • 山と渓谷社
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本棚登録 : 80
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (802ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635048644

感想・レビュー・書評

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  • 矢口高雄『おらが村』ヤマケイ文庫。

    またまたヤマケイ文庫から矢口高雄作品が刊行。しかも800ページもの圧倒的なボリューム。

    奥羽山脈に囲まれ都会からは程遠い、矢口高雄の故郷・秋田県の小さな村が舞台に、村に暮らす高山家を中心にした村の人びとの生活を描いた物語。懐かしい山野の匂いが伝わるような風景の中に、意外にも深刻な村の人びとの暮らしが描かれる。

    本体価格1,600円
    ★★★★

  • 辺境の田舎出身なので、冒頭からしみじみ共感した。心境や境遇がすごくリアルだと思う。絵ももちろん素晴らしい。

  • 「ディスカバー・ジャパン」とか、今でも余裕で言われていることが昭和中期を描いた作中に出てきて、まったく世の中進歩してないのを思い知った。
    俺は田舎が好きだが、基本は東京住まいでホントの田舎の感覚を知らずに生きてきたクチなので、このマンガを読んでいて都会の人(ちょっと批判的に描かれたりする)が出てくると、「ああ俺こっちの人物だわ」と恥ずかしい気持ちになった。
    あと、この人のマンガのおてんばキャラは相変わらず素晴らしいですね。完全にゆりっぺですけどね。

  • 昭和30年代の東北の山村を舞台、村会議員高山家が直面する厳しい自然と過疎の現実。民俗学的に貴重な一冊。

    「釣りキチ三平」の作者の隠れた名作。ヤマケイ文庫で復刊。作者の出身の集落をモデルとした作品。詩情豊かな中にも出稼ぎや過疎、嫁不足などのリアルな田舎の現実が丹念に描かれている。

    平成から令和、昭和はますます遠くなるばかり。今やおらが村は限界集落と化したか消滅しているかもしれない。

    ヤマケイ文庫は独特のテーマで再版が多いのが実にありがたい。

  • 2020/12/16購入

  • 日常の中で見逃してしまうかもしれないこと、一人一人の心の中でしか分からないこと、人生とは幸福とは何かを考え直せるように思う。

  • 当時の農村に入り込んでしまったかのような錯覚すらしてしまう。文化や風習がわかり、今読んでも新鮮。

  • 1973年から1975年まで週刊漫画誌に連載された作品。高度経済成長期の東北地方の中山間地域が舞台。第一次産業に従事する人たちが大半の農村地域、冬には雪に閉ざされ農作業もできず、東京に出稼ぎに出る男性が多い。上京も夜行列車という時代。春の訪れとともに故郷に戻り、農作業をし、家を支え、長男は家を継ぎ、女系姉妹は婿取りで家を継ぎ、家を守っていく。一方、冬に出稼ぎ、春は失業保険を収入の一部としつつ農業に勤しみ、冬に到来とともに再び都会への出稼ぎという生活。出稼ぎは、他方で失業保険をいう意味も持っていたとは、成る程、初めて気づいた。。。。

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著者プロフィール

矢口高雄

昭和14年、秋田県雄勝郡西成瀬村(現・横手市)生まれ。高校卒業後、12年間の銀行員生活を経て、30歳で上京し、釣りをテーマにした「鮎」で漫画家デビュー。昭和49年、『釣りキチ三平』『幻の怪蛇バチヘビ』により講談社出版文化賞(児童まんが部門)を受賞。51年、『マタギ』により第5回日本漫画家協会賞大賞を受賞。主な作品に『おらが村』『ふるさと』『平成版釣りキチ三平』、またエッセイ集に『ボクの学校は山と川』『ボクの先生は山と川』など多数。平成7年、秋田県に矢口高雄全作品の原画を収蔵した横手市増田まんが美術館が開館される。令和2年11月死去。

「2021年 『ワイド版 マンガ日本の古典25 奥の細道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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