生と死のミニャ・コンガ

著者 :
  • 山と溪谷社
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本棚登録 : 42
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635171533

作品紹介・あらすじ

アタックに挑んだ8人の仲間が、目の前から忽然と消えた。クレバスに堕ち、死を覚悟したものの、著者はかろうじて生還する。13年後、友人が4遺体を氷河で発見するが、友もまた消息を絶ち、氷河に消えてしまう。死を悟り生を知ったミニャ・コンガの20年-。「魔性の棲む山」に逝った仲間たちへの鎮魂の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 1981年5月、解禁成った中国の高峰ミニャ・コンガ(7,556m)の山頂直下で、一人が滑落したのに続き、著者の目の前からザイルで繋がれた7人が墜ちて行った。
    そのドキュメントと、そののち同山で遭難した福沢卓也(「決定版雪崩学」の共著者)ら4人にも触れた鎮魂の書である。

    事故の一因を、著者は次のように暗示する。

    事前の準備(高所順応の方法など)に対する、柔軟性を欠いた先入観。パーティの構成や意思統一のアンバランス。段取り不足と、その段取りの遂行不足(無理な計画、無理な行動)。

    明らかに、ときどきどこかで見かけるような筋ではないか…。

    オレなんかは、この先7,000m峰はもちろん、3,000m峰にも登ることはないだろうけど、装備、準備、人間関係などを含めて、「事故」の蓋然性は高山でも低山でも似たようなものと思われる。その辺が、銘記すべき教訓である。

    あと、著者は再三再四、「いやな予感」で死地を切り抜けている。(「ザイルで繋がれた8人」にならなかったこともその一つ)

    理論や理性ばかりではなく、そうした人間天然の感覚を研ぎ澄ましておくことも、生き残るための鍵なのかも知れない。

  • 2015/2/21購入
    2020/10/25読了

  • ミニャコンガ登山中,一緒に登っていた8人のうち7人が登頂目前にして滑落。
    一人生き残った著者の苦悩の半生の記録です。

    「なぜ自分だけが生き残ったのか。」

    考えつづけた年月の重みが胸に響きました。


    続きはこちら。
    http://blog.livedoor.jp/h_ohiwane/archives/51737842.html

  • なぜ、自分だけ死ななかったのか?から、どう、自分は生きていくのか?までの記録。事件と関わり続ける理由は?贖罪、慰め、しかし誰への?自分と仲間の行為、そしてその家族と真摯に向き合った結果…角

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