ときめくコケ図鑑 (Book for Discovery)

著者 :
  • 山と渓谷社
3.49
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本棚登録 : 302
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635202251

感想・レビュー・書評

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  • 「人は見たことがないものでも知ることができるし、理解することもできる。こうした小さな魚がどんなに美しいかもあらかじめ知っていることはできる。でも、実際にこうして見てみて、ほんとうに美しいねと思うこととは、それは別のことだね。実際に見てみて心震わせるということは、知識として「美しい」と知っていることとはぜんぜん異なったことなんだろう」(高田大介「図書館の魔女(2)」より)

    コケの美しい写真はたくさん見ていた。それでも、実際にルーペを覗いて現れるコケの美しさは、本で「知っている」美しさとはぜんぜん違うものだった。本当は写真よりも綺麗ではない。けれども、ルーペの上下で次々と変化する朔の花畑や絡みつく葉先、そして私の指で今にも潰れそうなこの植物を観察することは、美を発見する「体験」なのである。

    「実物が美しい」なんて、改めて言うまでもないと、多くの人は思うだろう。でも、改めて言いたい。何故ならば、あなたの家を出て、数メートルも歩かない所に、おそらく見たこともない「美しさ」があるのだから。

    岡山県で、そのことを20年近く発信し続けている有名人として、倉敷「蟲文庫」店主・田中美穂さんがいる。古本屋ではあるが、店頭には彼女の著作が新刊本でいつも並んでいる。未だ若いので(現在50歳?)、古本業界ではマドンナ的存在である。気にはなっていて、いつか手に取りたいとは思っていた。「やっと、私もコケの美しさがわかってきました」なんてお話できるだろうか?

    序章の「コケの基本」は、まるで小学生に教えるお姉さん先生のように優しく教えてくれています。私はある程度予習してきたので、スイスイ理解が進みます。それで、さぁ実習!といったところで、裏庭にあった蘚類(せんるい)を観察すると、どれが該当するかわからない!という問題が発生しました。ウマスギゴゲみたいな葉筋をしているのだけど、朔もるまだ出ていないし、葉はいつも広がっていない。違う気がする。他には似ているのがない。うーむ、やっぱり100種ちょっとの図鑑では足りないのかもしれない。

    そこで、他の図鑑も参照しなくてはいけなくなってきた。2月から朔が出てくるのかと思いきや、観察を始めると、多くはもっと暖かくなってからのようだ。もっと観察経験を積んでから、蟲文庫を訪ねたい(←え、そこ?)。

    • Ctenolepisma villosaさん
      蟲文庫!随分前に訪問させていただきました。素敵な空間です。
      蟲文庫!随分前に訪問させていただきました。素敵な空間です。
      2022/02/27
    • kuma0504さん
      おお、行かれたことがあるんですね!
      良いロケーション、厳選された棚、素敵な店主。
      いつも開いているわけではないところが玉に瑕です。
      おお、行かれたことがあるんですね!
      良いロケーション、厳選された棚、素敵な店主。
      いつも開いているわけではないところが玉に瑕です。
      2022/02/27
  • 京都の苔寺に行ってきたので、苔のことがもっと知りたくなり、ブク友さんの本棚にもあったこちらをお取り寄せ。

    まさかまさか、こんなに種類があるとは知らず、うろたえてしまう。
    隙間暮らしのエピソードとして、水分を吸い上げる根っこはなく空気中の湿気や日光を体表面で取り込むとか、乾燥しても休眠状態でしんだふりするとか驚き。
    今までみえていなかった、コケの存在が気になるのも不思議なピント合わせ。
    コケのいる場所のヒントはあるけれども、図鑑に載っているコケの遭遇率はなかなか難しそう。
    表紙のサヤゴケ、可愛らしい!市街地に最もよくみられるコケの一つらしい。木の幹にぽこっと塊になるんですって。
    柔らかそうな半球状のタマゴケ、平面に並ぶ葉と蒴が鳥のようなクジャクゴケはいつか見てみたい。
    ルーペ必須、買わなくちゃ。

    • kuma0504さん
      ベルガモットさん、おはようございます♪
      コケの世界へようこそ!

      ルーペ必須です。Amazonで1000円以内。ホームセンター回ったけど、置...
      ベルガモットさん、おはようございます♪
      コケの世界へようこそ!

      ルーペ必須です。Amazonで1000円以内。ホームセンター回ったけど、置いてなかった。

      普通のコケを見ても感動必至です。また、感想をお聞かせください♪
      2022/07/15
    • ☆ベルガモット☆さん
      kuma0504さん、こんばんは☆

      コメントありがとうございます!
      この本を図書館で見つけてあとブグログを調べたら、kuma0504...
      kuma0504さん、こんばんは☆

      コメントありがとうございます!
      この本を図書館で見つけてあとブグログを調べたら、kuma0504さんのレビューがあったので、安心しました。他にもコケ本が多く本棚に飾ってあったので、ワクワクして眺めております。
      なるほど、Amazonで1000円程度で購入できる耳寄り情報ありがとうございます、助かります☆
      近所の公園でコケらしきものを見つけて、ちょっと感動しました~
      ルーペで眺めたらもっと感動しそうですね♪
      2022/07/15
  • コケ観察におすすめコケ図鑑5選 | 苔テラリウム専門サイト|道草michikusa | 苔テラリウム 小さなコケの森/コケ商品の企画販売・ワークショップ
    https://www.y-michikusa.com/blog/blog/1614/

    おしらせ | 古本・倉敷 蟲文庫
    https://mushi-bunko.com/

    ときめくコケ図鑑 | 山と溪谷社
    https://www.yamakei.co.jp/products/2812202250.html

  •  コケ初心者にも分かりやすい、コケの図鑑。

     コケの概要、分類から、図鑑のページは写真をふんだんに使って、見てきてもとてもきれいです。
     コケをクローズアップすると、こんな形状や色だったのかと、ミクロのすごさを感じます。

     まず、コケに蘚類、苔類があるというのも、改めて発見したし、それぞれの生育環境なども調べられます。

     胞子が入っているさく(くさかんむりに朔)のつくりだとかを図鑑で見て、それから、うちのコケを見ると、何てバラエティ溢れるコケが生えているんだろうと嬉しくなります。

  • 家の苔を調べたくて借りたけど、やっぱり分からない。苔は綺麗だなぁ。

  • 今までコケをじっくり観察したことなんてなかったし、
    そもそも コケ=雑草 と同じようなの認識しか
    なかったので、こ〜んなに様々な色や形があるなんて、
    ビックリです。
    こうやって良く見てみると、おぉキレイだし、
    形が個性的でカワイイじゃないかー。
    私は少しだけコケに「ときめき」ました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「コケ=雑草」
      吃驚、、、私は雑草も好きですが、やっぱり全然違いますヨ。。。
      「コケ=雑草」
      吃驚、、、私は雑草も好きですが、やっぱり全然違いますヨ。。。
      2014/04/02
    • んだりぃ~んさん
      nyancomaruさん、コメントありがとうございます。今まで雑草もコケも、あぁまたこんなにはびこっちゃって・・・みたいな感じでしか見ていな...
      nyancomaruさん、コメントありがとうございます。今まで雑草もコケも、あぁまたこんなにはびこっちゃって・・・みたいな感じでしか見ていなかったので、あのような表現をしてしまいましたが、さすがにくくりがあまりにも大雑把すぎでしたね、すみません。
      2014/04/02
  • さく朔があるのは春なんですねー
    それにしても沢山の種類があって
    湿度の状態によって姿が変わる
    となると自分は区別が難しいかも(^_^;)
    思い出されるコケもあんまりなくて(´・_・`)
    拡大して観察すればきっと楽しい世界(^^)

  • とってもとっても生えてくる庭の苔を
    どうしたらいいかと思い借りました
    期待していたものとは全く違っていたけど
    苔愛に溢れる一冊でした

  • 苔に興味を持ち、初めて手にとった苔の本。

    初心者にわかりやすく、苔の仕組みの説明などがあり、よかったです。
    写真も綺麗でした。

    こちらの本を読んで、どの苔かを識別していくほどマニアックになりたいわけじゃないと気づかせてもらいました。

    苔の仕組みを知り、写真をパラパラ見て楽しんで満足しました。

  • ルーペを使う、事前に霧吹きする、など図鑑ならではの観察のポイントも書かれている。ポケットサイズがあればそれを持って散歩したい本。

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著者プロフィール

田中美穂(たなか・みほ)
古本屋「蟲文庫」店主。1972年、岡山県倉敷市生まれ。1994年、同市内に古本屋「蟲文庫」を開業、2000年に移転、現在にいたる。著書に『わたしの小さな古本屋』(ちくま文庫)、『苔とあるく』『亀のひみつ』『星とくらす』(WAVE出版)、『ときめくコケ図鑑』(山と渓谷社)、編著に『胞子文学名作選』(港の人)などがある。

「2018年 『ミクロコスモス 森の地衣類と蘚苔類と』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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