- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635490580
感想・レビュー・書評
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前作の『膝を痛めない〜』を読んでから体重移動などを意識するようになったのですが、今作も具体的に原因と結果、その対策が書かれていて山行の参考になります。
私は去年から本格的に登山を始めて夏の北アルプスにも挑戦しましたが、3000mを超える山は体力や筋力にものを言わせる登山では限界があり、筆者の作品を手に取りました。
今作はさらに服や靴など装備への言及もあり大変参考になりました。
山での悩み事がある人を是非一度手にとってみてほしいです。 -
登山を始める入門書としては最適なのではないでしょうか。
独学で登っていた自分にもとっても、改めて言葉として情報を知ることができてすごく有意義な本でした。
自分が読んで良かったと感じたのは、2章の「疲労を軽くする呼吸法」と5章の「飲む、食べる、出す」。
鼻から吸って、口から吐く、腹式呼吸、心拍数を上下させすぎない(休憩頻度のポイント)など。
行動時の水分摂取量の目安の計算式やアイソトニック飲料とハイポトニック飲料の違い、補給食の選び方などは早速次の登山から取り入れたい。
骨盤の使い方の意識などはランニングと関連する部分も多くて登山へのモチベーションあがる一冊でした。 -
自分のために忘れないようポイントをまとめておきました。
第1章 「自分を知る」ことから登山は始まる
・自分が歩いているところを動画撮影して歩き癖を可視化する
・コースタイム倍率を計算してみる(できれば、歩き始め/山頂手前、登り/下りに分解して)
第2章 疲労を軽くする呼吸法
・登山日の1週間前から2-3日おきにジョギングをするだけでも効果はある
・鼻から吸って口から吐くのが理想、舌は上顎部につける
・数分歩いては立ち止まるというのは酸欠になっている
・休憩は少なめにして自分のペースを保つ
・休憩した後にペースを上げすぎない
第3章 重心移動をコントロールして歩くコツ
・歩行はフラット歩行(抜き足)、足を出す時に同時に上半身も前に出して重心移動をする(これで足の筋肉の負担が減る)
・登りのときは積極的に重心移動を行い、下りでは重心移動は控える
・靴ひもは、登りでは緩めに(結び目の下に指3本入るくらい))、下りではきつく締める
・ザックと背中に間に手を入れて、手のひらが入るくらいがちょうどよい、こぶしが入るようでは骨盤前傾(反り腰)、手のひらも入らないようでは骨盤後傾(猫背)
・重い荷物を持つためのトレーニングは歩荷トレーニングがベスト、山行時には休憩時に下半身だけでなく上半身のストレッチも行う
・下りでは前足に重心移動せずに後ろ足に維持して歩行速度をコントロールする(これにより大腿四頭筋ではなくハムストリングや臀筋で体重を支えることができる)
・下りでは腕は(腰に手をやるなどして)肘を後ろに引いて、背骨が曲がらないように、顎を引いて頭を傾けるようにする
第4章 疲れずに歩ける靴の選び方と履き方
・初心者にはハイカットをおすすめする
・靴のサイズは登山用のソックスを履いて、紐を緩めた状態で足を入れてカカトをトントンして足先に余裕があり(軽く指を動かせること)圧迫感の無いこと、ただし余裕ありすぎもだめ
・かつてはつま先が軽く靴の先についた状態でかかと側に指1本入るというのが適正サイズの目安になっていたが、精度が低いので今はこの方法は行われていない
・サイズが決まったら、かかとを靴に付けて靴ひもをしっかりと締めて、歩いてかかとがずれないか、足全体を包んでいるかを確認する
・さらに登りではかかとが動かないこと、下りではつま先がずれないこと、横傾斜の時によこズレが起きないこと
・類似の靴を何種類か履き比べてみること
・靴ひもは、登りでは緩めに(結び目の下に指3本入るくらい))、下りではきつく締める
・靴ひもを締める手順は以下の通り
(1)ひも全体を緩めて足を入れる
(2)つま先から順に上から2番目のフックまでしっかりと締めて、そこでひもを3回くぐらせる
(3)一番上のフックにひもをかけたら、登りでは緩めに、下りではきつく締めて蝶結びにする(二重にするとほどけにくい)
・剛性が高い靴ではソックスは中厚手以上のものを、柔らかい靴に柔らかいソックを履くと靴ずれが出やすいのでパイルのないフィット感の高いものが適している
・歩いていて違和感を感じたらすぐに対処する、我慢すると悪化することも
・靴ずれが酷くなって皮膚がむけたら消毒して絆創膏を貼っておく、水疱の場合は消毒した針などで水疱を潰して消毒して絆創膏を貼っておく、縦走の場合は毎日消毒すること
・靴ずれ、圧迫等がある場合、靴ひものつま先側半分を緩めにすると良くなる場合もある、その場合ゆるくした部分の最後は靴ひもを3回くぐらせる
第5章 飲む、食べる、出す
・足りていると思っても積極的に水分補給を行う
・水分摂取量=(体重+荷物重量)×行動時間×5(5は気温や状況で変わる)
で計算され、できるだけそれに近い量を摂取するようにし、歩き終わって足りなかったら不足分を飲むようにするのが望ましい
・下山時は喉が渇かないので水分補給を怠り勝ちになるが、体は脱水状態になるのでパフォーマンス低下する
・暑い時や寒い時は冷水や温水の方が飲みやすい
・バテは脱水の影響が大きい、膝痛にも関係するかも
・行動中に飲むスポーツ飲料は、アイソトニック飲料(ポカリスエット、アクエリアス、グリーンダカラ、ビタミンウォーター、ボディメンテなど)よりもハイポトニック飲料(ポカリスエットイオンウォーター、アクエリアスゼロ、ヴァームウォーター、キリンラブズスポーツ、アミノバリューなど)の方がすぐに吸収されやすいので適している
・カフェインを含む飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶など)は利尿作用があるので控えたほうが良い
・行動中に水分を取りやすくするには、ハイドレーションやリュックの肩ベルトに付けるボトルホルダーを利用すると良い
・行動時間が長いときや荷物が重いときは糖質(炭水化物)補給が重要
・登山前
前日夕食:炭水化物主体のもの(パスタ、うどん、ラーメン、丼もの、チャーハンなど)
当日朝食:炭水化物主体のもの(簡単に食べられるおぎにりなど)
当日昼食:糖質(カップ麺、カップ飯、おぎにりなど)、タンパク質、さらに疲労回復のためにクエン酸も
行動食:糖質を主体にタンパク質を加えて、甘いもの・塩辛いもの・辛いもの・酸っぱいものをバランスよく(特に縦走の場合)下山後:筋肉修復のためにタンパク質を主体に(大豆食品やアボガドのような植物タンパク質も含む)
・テント泊の場合のラーメン+乾燥野菜がおすすめ、タンパク質はドライ納豆やインスタント味噌汁、干し貝柱など
・食べ過ぎと遅い夕食は睡眠の質を低下させるので良くない
・3-4時間ごとにトイレに行ける計画をたてる(トイレがない場合は地形図からできそうなところに目星をつけておく)
第6章 山で快眠する秘訣
・山小屋でやるのは足りなかった水分補給とストレッチ、水分補給は早めに
・寝る前にふとんの上でうつ伏せになってかかとを外側/内側に揺すると疲労回復につながる
第7章 歩行を左右する登山ウェア
・ドライウェアは汗冷え防止を目的としていて、撥水加工してあるのでベースレイヤーの濡れが戻らず、その効果は大きい。森林限界より上では風の影響が大きくなることが多いのでメリット大
・ミドルレイヤーは、フリース→ソフトシェル→アクディブインサレーションと進化してきている
・レインウェアは脇の下にジッパーにあるものだと蒸れた空気を外に出せる
・防寒着を持っていくかどうか迷ったら、防寒具(グローブ、ニット帽、ネックウォーマーなど)を持っていく
第8章 ストレッチとトレーニングで体力維持
・ストレッチするのは、腸腰筋、大臀筋、
・息を吐きながらストレッチしていき20秒キープ、更にしっかりやりたい人は30秒
・硬い部分は必ず1日1回は行う
・登山中も休憩の始めにストレッチするとよい、登山後も行った方がつかれを軽減できる
・心肺能力を高めるにはスロージョギングがよい、10分/kmくらいでもいい(登山中と同じくらいの心拍数になる)、心拍数が上がりすぎないように(ペースが上がりすぎないように)
・筋持久力を高めるには山に登ること(山に登るトレーニグは山に登ること)で1-2時間のハイキングで良いので頻繁に行くことが大切
・とは言ってもそれが難しい場合は、ランジやカーフレイズなど、最初は10回程度で初めて徐々に回数を増やしていく -
登山の本の中で抜群に具体的だし説明も明快 必読
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意味で読んだどの登山本よりもロジカルで納得感がある解説だった
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図書館で偶然見つけて読んだ。今まで読んだ登山の本の中で、一番こまごましたことまで詳しく書いてあって役に立ちそうだ。重心移動、食事、睡眠、ストレッチと幅広いアドバイスがある。
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第1章 「自分を知る」ことから登山は始まる
自分の能力を把握することが「バテない登山」につながります
自分の知らないことも見つめてみる/動画を撮影して歩き癖を可視化する/コースタイム倍率を計算してみる/自分自身の実力を正確に把握する
第2章 疲労を軽くする呼吸法
「呼吸の質」を高めれば疲労を軽減させることができます
心肺・循環機能は成人してからでも向上可能/効率よく酸素を取り込む呼吸法/休憩を少なめにして自分の歩行ペースを保つ
コラム 鼻呼吸がうまくできない人へのアドバイス
第3章 重心移動をコントロールして歩くコツ
効率よく歩くためには重心移動が重要なポイントになります
重心移動を意識することが大切/足の3つの軸を回転させるロッカー・ファンクション/登りではアンクル・ロッカーを活用
下山の際はすべてのロッカーを制限/山道を歩く際に欠かせない股関節伸展能力/身体重心の動きには上半身の姿勢も大きく影響します
骨盤の傾き具合を確認してみる/姿勢を変えるだけで下山が楽になる
第4章 疲れずに歩ける靴の選び方と履き方
自分と相性のよい登山靴を選ぶことが最も大切です
目的と自分の脚力に応じてカットの高さを選ぶ/購入の際は専門店でフィッティングを/靴紐を適切に締めることは最重要の登山技術です
登りは靴紐をゆるめに、下りはきつめに/履く靴に合わせて靴下を変える/マメや靴擦れなどの対処法について覚えておきましょう
違和感を覚えたらすぐに適切な対処を/外反母趾などで指が靴に当たる人は?
第5章 飲む、食べる、出す
効率よく水分を補給するようにしてください
足りていると思っても積極的に水分補給を/体調不良の原因になる「脱水」にご用心/行動中に水分補給をしやすくするための工夫
食べるものや食べ方にも秘訣があります/シチュエーションごとに適切な食事を/補給するだけではなく「出す」ことも欠かせません
野外トイレの場所選びと作法/お腹を冷やさない対策も必要不可欠
第6章 山で快眠する秘訣
熟睡するためには体をリラックスさせることが重要です
水分補給とストレッチで疲労物質を排出/就寝前に入眠を促すルーティーン/どうしても眠れないときの工夫
第7章 歩行を左右する登山ウェア
バテないためにはウェア選びも大事な要素です
ベースレイヤーは汗冷えを防ぐことを重視/さまざまな選択肢があるミドルレイヤー/レインウェアをアウターレイヤーに活用
万が一のときにも役立つダウンなどの防寒着/着替えや防寒着を減らして荷物を軽くしましょう/着替えを見直して荷物を軽量化
第8章 ストレッチとトレーニングで体力維持
ストレッチを習慣化して関節の柔軟性を高めましょう
おすすめはスタティック・ストレッチ/バテないためには日々のトレーニングも必要不可欠です/登山のトレーニングにはスロージョギングが理想的
筋持久力を鍛えるために必要なトレーニング/日常生活で温度変化への対応力を増強
コラム 登山前の準備運動にはダイナミック・ストレッチを