はじめて出会う政治学 第3版: 構造改革の向こうに (有斐閣アルマ)
- 有斐閣 (2009年4月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641123687
作品紹介・あらすじ
携帯電話、パスポート、テレビドラマなど学生が興味をもつ身近なテーマを手がかりに、読んでいるうちにいつしか政治学の世界に導かれる、入門テキストの第3版。小泉政権以降の政治の動きをフォローし、新たな話題を数多く盛り込んだ。
感想・レビュー・書評
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有斐閣編集部の新入生におすすめする本から。『教養としての経済学』と続けて読んだのでフリーライダーについての話がよく頭に残った。
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かなり分かりやすい
平易だなーでも身に染みるので、興味を持ってもらうという面ではかなり親切
学生時代に読んでたら政治ついて興味を持ち、将来が変わったかも…しれない
とにもかくにも市民団体とマスメディアの関係など今まで持っていた知識と感覚を言語化してくれるいい本だったオススメ -
大学の教養課程用の教科書として書かれていて、柔らかい表現でとても読みやすい。なんで政治に金がかかるのか?といった疑問にもばっちり回答があってすっきりした。時事ネタも拾っているので、2009年以降に起きたあれやこれやもいれて、2021年update版を出してくれたらとても嬉しい。
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本の感想(オフィス樋口Booksより転載、http://books-officehiguchi.com/archives/4890870.html)
この本の表紙に身近なテーマを手掛かりに政治学の世界に導かれると印刷されているが、実際に読んでみると身近なテーマが盛り込まれている。高校の政治経済の復習では、パスポートや車の運転免許証などの国の委託事務が挙げられるので、大学に入学したばかりの初学者に勧めたい本である。
1つ目の例題が理容師と美容師の違いでQBハウスのことが取り上げられていた。美容師について、カットだけの場合法律に違反するという指摘があったようだ。理容師と美容師以外の他の四角に関する規制も取り上げられている。
この本は2009年に出版されたが、人手不足が問題になっているので資格に関する規制が緩和されるのかどうか今後の動向が気になるところだ。 -
学問を知らない人が学ぶには読みやすい。
実際の例を挙げて具体的だけど、実際はもう少し複雑なのかなと考えたり。 -
自分の専攻ってなんだろう、最近よく分からなくなってきました。元々20数年前の学生時代に学んだのは宗教学、8年前に社会人院生として学んだのは法学。そして今度は故あって政治学に色目を使い始めました。
というわけでまず手に取ったのが大学教養課程レベルの本書です。「政治と経済」「政治と社会」「政治のしくみ」「政治と世界」の4単元12章構成で、この学問分野の概観を初学者に提供することが本書の命題。そのためどの章も冒頭は必ず「つかみ」の話題から始まっています。ヘアカット専門店や携帯電話といった日常の風景、バラエティ「笑っていいとも」やドラマ「CHANGE」などのテレビ番組、時には日本が分割占領された架空戦後史など、必ずしも政治学専攻を志すわけではない幅広い学生が関心を持ちやすいモチーフから説き起こして、それがいつしか政治学で取り扱うテーマに結びついていく。実に平易でその実巧みな語り口、そして「こういう観方もある、でも別の観方もある」と一面的常識をころころ転がす面白さは、入門教科書としてよく出来ています。
一点惜しむらくはこの分野に特有の事情、つまり現代政治を扱わねばならない一方でどうしても時事情報が古びてしまうことです。第3版初刷が2009年、翌年1月に補訂しているとはいえ民主党への政権交代前後の内容ですから、その後の民主党の凋落とアベノミクス景気に湧く現在からみると「そんな時代もあったなあ」と懐かしく思ってしまいます。でも、現在に合わせた原稿を書いてもそれが出版される頃にはまた一歩古びたものにならざるを得ないのも確かで、再版のタイミングが難しそうです。そういう点では、電子書籍だと在庫を気にしなくていい分だけ紙書籍より内容更新が有利なのでしょうね。
実は院生時代に政治学ゼミにも潜り込み、一人ゼミ生としてもっと分厚い教科書(久米郁男ほか『政治学』有斐閣New Liberal Arts Selection)を毎週レジュメにまとめるというヘヴィな経験をしてるので、入門書を読む必要はなかったのかも知れません。でも当時仕入れた知識は完全にさび付いてますし、門外漢が門内に突入する景気づけとしてこの面白さ・分かりやすさは最適でした。 -
311||M11||Ha=3e
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{便益の大きさによって、少数派の意見が認められることがある}
{公共財は、すべての人がただ乗りしようとするので、提供されなくなる。だから政府の介入(税金の徴収)が必要}
{社会科学において最も重要な作法は、、自分がこうだと思った説をほかの人が反証できるような仕方でしめすことである。それに反する証拠が出たらその説を撤回するという態度が大切である。}
{日本の国会は会期が短いので、法案などが比較的可決されにくく、議会の力が強いようにみえる。}
{政治学では、法制度を前提としながらも、同時に、まず現実を知ろうとしなければいけない。もし現実が予想される事態と異なっているのであれば、どうしてそうなのかを問わなければいけない。}
非常に分かりやすく、読みやすい本であり、入門書には最適であると思う。
具体例もたくさんあり、理解しやすかった -
津田さんの新刊を読もうと思って、その前に政治学っぽいことについて理解を深めておこうーと借りてきた。
すっごくおもしろい本だった。
文章が砕けに砕けていてとても読みやすいし、興味を持てる。
まずは政治学の雰囲気をしりたい、とか、用語に触れておきたいというときには最適な本だと思います。
章の最後に演習問題として設けられている問いにもハッとさせられる。
マスメディアは誰の味方だろうか、とか
政策で選ぶのはどうして難しいのだろう、とか。
一瞬「あれ?なんでだろう」って思うけど、いま読んだ章のことを思い出してみると、実はちゃんとそれに答えらえるようになっている。ふしぎーおもしろーい。
批判もあるみたいですがわたしは好き。次は、この先生方の専門について書かれた本を読もうかなと思いました。
一番ツボだったのは、戦後の国際状況の章で、ベルリンの壁のパロで「東京の壁」の話。
東京は戦後、東と西に分断されて「東京の壁」なるものが出来ていた…。アメリカの占領方針によって、西日本側の日本連邦共和国は、天皇を京都御所へ帰し首都を京都と定めることとなった。京都市民は「帰ってきはった、帰ってきはった」と歓声をあげた。
帰ってきはった、帰ってきはった、がおもしろくて声だして笑いました。
「ドイツの戦後の歴史を少しでもリアルに感じてもらいたかった」ためにこの話を章の頭にもってきたとのことでしたが、うまいなあ。おもしろかったです。おすすめ。