財政赤字の淵源 --寛容な社会の条件を考える

著者 :
  • 有斐閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641164024

作品紹介・あらすじ

年金、医療、介護、生活保護、教育、公共事業…人びとの生活を支える財政制度をどう設計していくか。歴史的アプローチから財政赤字の原因と構造を明らかにし、すべての人びとが平等に扱われ、豊かな財源の創出が可能となる財政システムを提言する。

感想・レビュー・書評

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  • 日本における膨大な財政赤字の原因を歴史的アプローチから解明した上で、今後の人々の生活を支える財政制度をどのように設計していくかを提言した書。第Ⅰ部では戦時期の高橋財政や大蔵省統制、占領期の財政運営などを切り口に、日本の財政の原型がどのように作られたかを検討している。第Ⅱ部では高度成長期における公共事業と減税による利益分配メカニズムについて検討している。第Ⅲ部では各部を踏まえた上で、近年では財政ニーズが変化しているにもかかわらずそれに対応した政策運営ができなかったことを指摘しつつ、今後のあるべき財政システムを提言している。
    近年では膨大な財政赤字を背景に財政再建を目的とした歳出削減や増税が議論されがちだが、財政再建のための歳出削減や増税が果たして受け入れられるのかを考えさせられた。一読の価値はありだと思います。

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著者プロフィール

慶應義塾大学教授

「2022年 『財政社会学とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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