日中関係史 (有斐閣アルマ)

  • 有斐閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641220065

作品紹介・あらすじ

日中関係は、どこから来て、いまどこにあり、どこへ向かおうとしているのか。主に政治関係史の視点から1949年の中華人民共和国成立以前の日中関係を概説した上で、1949年以後の日中関係を第一線の研究者が分析・解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 近現代の日中関係について。主権国家としての関係が生まれた明治維新以降の日清関係から中華人民共和国建国までの序章、それ以降10年ごとに章立てされている。
    特に第二次大戦後の日中関係が日本の内政の流れとの繋がりでどう変遷していったのかや、台湾や台湾の地位を巡る日本や米国の動きも全体的な流れの中で理解できた。また、明治維新後に日本で学んだ中国人留学生が日中関係にもたらした大きなプラスの影響も改めて認識した。尖閣諸島の問題についても発生から今に至るまで丁寧に解説されている。石原都知事の暴走が尖閣諸島の問題をここまで大きくしてしまったとの感を否めない。小泉政権以降は自分自身の体験として認識しているところがあり、懐かしい思いも抱いた。

  • 豪華執筆陣による良書。戦前から21世紀までの基本的事項が概括的に解説されているが、気づきの点をメモしておく。

    ・日本の対中関係は、往々にして独立変数ではなく、他の大国の政策に従属する又はその枠の範囲内でしかないこと。鳩山政権から佐藤政権まで、「民間」交流を図っても所詮対米関係の枠内でしかなく、また「1970年代の日中関係は・・・米中ソの三大国それぞれの世界戦略の重要な一部として位置づけられていた。しかし、日本外交には同次元の戦略ゲームを展開する前提も発想も存在しなかった」(本書第3章より)。
    ・1950~60年代や天安門事件直後には日本側から有力政治家・経済人による関係構築・改善が図られたが、21世紀の関係悪化時にはそのような目立った動きがないこと。

  • おすすめ資料 第233回 (2014.4.25)
     
    日中両国間の、外交・政治事情についての入門書です。

    近代から現在まで、両国間の外政・内政の背景や歴史的経過が解説されています。
    豊富な参考文献リストや年表(1840年~)など、次の段階への導入も準備されていますので、入門書として最適な1冊です。

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著者プロフィール

慶應義塾大学大学院修了。法学博士。同大学教授・法学部長を経て、現在は防衛大学校長。元・日本国際政治学会理事長。専門は国際政治。著書に『中国政治からみた日中関係』(岩波書店/樫山純三賞)、『現代中国の政治と官僚制』(慶應義塾大学出版会/サントリー学芸賞)など。

「2019年 『図解 はじめて学ぶ みんなの政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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