- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641220522
作品紹介・あらすじ
誰を対象とする制度か、給付されるのは何か、その費用は誰が払っているのか、誰が責任をもって運営しているのかなど、1つの制度の構造がつかめたら、比較しながら別の制度を学ぶことにより、立体的に理解することができる。2014年中の法改正・最新のデータに対応した決定版テキスト。
感想・レビュー・書評
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通読は第10版以来。なお、2019年前半に[第16版]が刊行。
【書誌情報】
椋野美智子 (前 大分大学福祉科学研究センター教授)
田中耕太郎 (山口県立大学教授)
2015年03月発売
四六判並製カバー付, 328ページ
定価 1,944円(本体 1,800円)
ISBN 978-4-641-22052-2
信頼できる最新情報を盛り込み,叙述のわかりやすさにこだわったロングセラー・テキスト。「なぜ」「どうして」と考えていくうちに,制度の構造を立体的に理解できる。とくに第2章「生活保護と社会福祉制度」と第3章「介護保険」を全面的に改訂した。
〈http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641220522〉
【目次】
第12版へのはしがき(2015年3月 著者) [i-ii]
目次 [iii-xiv]
著者紹介 [xv-xvi]
Information [xvii]
序章 社会保障の見取り図 001
1 社会保障を学ぶ意義――何のために社会保障を学ぶ? 001
2 社会保障の概念整理――社会保障とは何だろう? 004
社会保障の3つの給付と3つの仕組み 004
3つの仕組みの違い 005
3 社会保障の学び方――この本はどう使う?
丸暗記は無駄 007
本書の特色 008
本書の構成 009
第1章 医療保険――病気やけがをしたら 013
1 医療サービスを保障する仕組み――病気になったら,どうする? 014
病気になったとき 14
自分の保険証を見てみよう 14
保険者って,誰? 15
制度の分立 15
医療保険がなかったらどうなる? 17
償還払い 18
現物給付の仕組み 19
金銭給付も忘れずに 20
2 保険者と保険料――あなたはどのグループで,どれだけ保険料を納める? 21
制度を二分:働き方の違い 21
勤め人の場合:健康保険 22
勤め人の扶養家族は保険料不要:パートタイムで働く妻は? 23
農業,自営業,無職者などの場合:国民健康保険 24
国民皆保険のヒミツ 26
3 保険給付――どんな医療サービスが,どれだけの負担で受けられる? 028
保険でどんな医療サービスが受けられる? 28
差額負担がある医療サービス 29
保険外併用療養費制度への再構築 33
これからの保険診療のあり方 33
患者の一部負担 34
患者の一部負担のルール 35
高額療養費制度 36
金銭給付 38
4 診療報酬と薬価基準――保険での医療サービスの値段はどう決まる? 39
診療報酬点数表 39
診療報酬点数表を決めるルール 41
薬価基準 42
診療報酬請求の審査支払いの仕組み 44
5 高齢者医療制度――高齢者の医療費は誰が負担する? 46
なぜ,高齢者だけ特別な制度が必要か? 46 国民健康保険の加入者層の変質 48
老人保健制度のねらいと仕組み 49
後期高齢者医療制度の基本的な仕組み 52
後期高齢者医療の財政 52
前期高齢者の財政調整の仕組み 55
6 国民医療費――日本では医療費はどう使われている? 056
国民医療費の範囲 57
増加を続ける医療費 57
誰が医療費を負担している? 59
医療費はどこに配分されている? 61
7 医療提供体制――日本の医療サービスはどんな姿をしている? 62
医療はどこで行われるか 62
医療は誰が行うか 65
何が問題か 66
医療計画 67
機能分化と体系化 67
地域医療構想(ビジョン) 68
患者の主体性の尊重と情報開示 69
保健事業の推進 70
第2章 生活保護と社会福祉制度──人らしい生活を保障する 075
1 生活保護――最低限度の生活にも困ったら? 076
フリーターの友達が病気になったら? 76
誰が受けられる?:対象者と財源 76
どんな場合に受けられる?:給付要件 78
最低限の生活とは?:保護基準 79
給付の程度 80
給付の内容 82
生活保護を受けるには?:実施主体 82
自立の助長と生活困窮者自立支援 84
2 社会福祉制度――福祉サービスを受けるには? 086
突然両親が亡くなったら 86
対象者ごとの縦割り制度 88
給付の種類と内容 88
社会福祉制度の実施主体 90
給付の仕組み(1):措置制度 91
措置から契約へ 93
給付の仕組み(2):自立支援給付 94
給付の仕組み(3):子ども・子育て支援制度 97
サービスはどこで誰が提供している? 102
サービスはどうしたら増える? 103
3 社会手当――社会福祉制度はサービス給付だけ? 105
児童手当 105
児童扶養手当 109
特別児童扶養手当 111
第3章 介護保険――介護サービスを利用しやすく 115
1 介護サービスを保障する仕組み――家族に介護が必要になったらどうする? 116
家族が寝たきりになったら 116
介護保険ができる前,社会福祉制度では? 117
介護保険ができる前,老人保健制度では? 117
なぜ介護保険をつくったのか? 119
2 保険者――誰が介護保険を運営している? 121
3 被保険者と保険料――誰が加入して保険料はどう決まる? 122
被保険者 122
第1号被保険者の保険料 124
第2号被保険者の保険料 126
保険料の額はどうやって決まるのか 127
4 保険給付――どんなときにどんな介護が受けられる? 130
要介護認定 130
給付の種類 132
施設サービス 133
居宅サービス 133
居宅介護支援 136
サービスの上乗せ・横出し 137
利用者負担 138
介護報酬 142
地域支援事業 143
5 介護提供体制――良質のサービスが必要に応じて提供されるためには? 145
サービス提供事業者 143
地域密着型サービス 146
介護保険事業計画 146
6 権利保護――利用者の権利を守る仕組みは? 148
介護保険審査会 148
苦情解決制度 148
成年後見制度 148
福祉サービス利用援助事業 149
第4章 年金──老後の生活費は 153
1 所得を保障する仕組み――長期に生活費を得られなくなったら? 154
国民年金 154
厚生年金 156
基礎年金のねらいと仕組み 156
年金制度は3階建て 159
保険者 159
年金の種類 161
保険料と年金額の関係 162
2 被保険者と保険料――誰が加入し,保険料はいくらか? 163
国民年金の被保険者 163
厚生年金の被保険者 167
保険料 167
3 老齢年金――高齢になったときの給付 169
老齢基礎年金 169
老齢基礎年金の繰上げ・繰下げ支給 171
老齢厚生年金 171
老齢厚生年金の支給開始年齢の引上げ 173
在職老齢年金 175
老齢厚生年金の繰下げ支給 177
給付水準の決め方 178
マクロ経済スライド 179
4 財政方式――給付と負担のバランスをとるとはどういうことだろう? 180
年金財源と財政検証 180
賦課方式と積立て方式 180
積立て貯金と積立て方式の年金保険の違い 182
有限均衡方式 183
5 障害年金――障害者になったら? 184
障害基礎年金 184
障害厚生年金 184
6 遺族年金――生計維持者が死亡したとき 185
遺族基礎年金 183
遺族厚生年金 186
老齢厚生年金と遺族厚生年金の併給 186
7 年金の業務体制――大切な記録の管理をしているのは誰? 187
8 企業年金等――より豊かな老後生活を保障してくれるのは? 188
企業年金の機能 188
確定給付企業年金と厚生年金基金 189
確定拠出年金 190
国民年金基金 191
第5章 雇用保険──失業したら 195
1 失業した場合に所得を保障する仕組み――会社をクビになったらどうする? 196
会社をクビになってしまったら 196
制度は1つ,保険者も1つ 196
雇用保険の業務体制 197
2 被保険者と保険料――雇用保険に入るには? 198
被保険者 198
保険料 199
3 保険給付――どんな給付が受けられる? 199
求職者給付 199
給付日数 201
就職促進給付 203
教育訓練給付 204
高年齢雇用継続給付 205
育児休業給付・介護休業給付 206
求職者支援制度 206
4 雇用保険事業――勤め人の仕事を安定させるためには? 208
第6章 労働者災害補償保険──働く場でけがをしたら
1 業務上の事故について補償する仕組み――仕事でけがをしたり,死んだりしたら,どうする? 212
労災保険はほかの社会保険とどこが違う?212
事業主の災害補償責任 212
望労災保険の特殊な性格と社会保障的性格 213
労働某準法上の労災補償責任などとの関係 214
保険者は国 213
2 適用事業と保険料――保険料の決め方にはどんな特別なルールがある? 215
適用事業 215
特別加入 216
保険料に関する特有のルール 216
3 業務上または通勤による災害の認定――どういう場合に労災の認定を受けられる? 217
業務上災害と認められる場合 217
業務上のけがや死亡 218
業務上の病気 219
通勤災害 221
4 保険給付――どんな場合にどれだけの給付が受けられる? 222
どんな保険給付が受けられる? 222 療養補償給付(療養給付) 222
休業補償給付(休業給付) 222
傷病補償年金(傷病年金) 223
障害補償給付(障害給付) 223
遺族補償給付(遺族給付) 224
賃金スライド制 226
5 社会復帰促進等事業――保険給付以外に,どんな事業が行われている? 226
第7章 社会保険と民間保険──2つの保険,その特徴は 229
1 保険の仕組み――保険って,どういう仕組み? 230
保険のいろいろ 230
保険とはどういう仕組み? 230
保険の対象となる危険 231
保険の基本構造と用語 231
大数の法則 233
収支相等の原則 234
給付・反対給付均等の原則 235
社会保険には適用されない給付・反対給付均等の原則 237
2 社会保険と民間保険――社会保険と民間保険とはどこが違う? 239
社会保険は保険の仕組みといえる? 239
民間保険との共通点 240
社会保険と公的扶助の違い 240
社会保険と民間保険の違い(1):保険料の負担ルール 242
社会保険と民間保険の違い(2):財政方式 244
3 民間保険の種類と働き――生命保険や損害保険って,どんなもの? 246
民間保険に関する基本的な枠組み 246
保険の種類 248
生命保険 249
損害保険 251
傷害疾病保険(第三分野の保険) 251
保険契約者の保護等 253
保険事業の運営・監督 253
第8章 社会保障の歴史と構造 257
1 世界の社会保障の歴史――現代の社会保障という大河の源流は? 258
救貧法の流れ 258
リベラル・リフォーム 259
社会保険の流れ 260
世界恐慌から第2次世界大戦へ 261
戦後の世界の社会保障の歩み 262
2 日本の社会保障の歩み――今の日本の仕組みは,どんな蓄積のうえに立つのだろう? 264
明治期 264
大正期 266
昭和初期:第2次世界大戦終結まで 266
昭和20年代:戦後の混乱からの復興,緊急対策 267
昭和30~40年代:普遍的な社会保障の確立と拡充 269
昭和50~60年代:財政再建と社会保障の見直し 271
平成の時代:社会保障の再編成 272
3 社会保障の機能――社会保障の働きにはどんなものがある? 274
貧困の予防と救済 274
所得の再分配 275
経済の成長と安定 277
社会の統合や政治的安定 279
4 社会保障の財政――社会保障のお金はどこからどこへ,どう流れているのか? 280
社会保障をめぐる財政資金の流れ 280
社会保障給付費の全体像 283
社会保障給付費の部門別構成 284
社会保障関係費とは 285
国の財政状況塾 287
国民負担率 288
5 現在の社会保障の課題と今後の展望――今の社会保障はどんな挑戦を受けているのだろう? 290
少子高齢化に伴う社会保障費用の増加 290
経済の低成長と財政状況の悪化 292
就業構造の変化 294
国際化の進展 295
知っておきたい日本についての基本データ [301]
索引 [303-309]
COLUMN
①介護は福祉ではなくなった? 006
②混合診療の解禁をめぐる意見の対立 032
③都道府県単位への保険者の再編の動き054
④後期高齢者医療制度の廃止論と代替案 056
⑤外国人と生活保護 077
⑥生活保護と社会保険 078
⑦被保護者はクーラーをもってはいけないか 081
⑧子どもの貧困対策 085
⑨障害者と就労 096
⑩少子化と保育所待機児童 098
⑪税制控除と手当 108
⑫若い障害者も介護保険の給付対象にするかどうか 123
⑬介護保険と生活保護 126
⑭介護保険は世帯単位か個人単位か 127
⑮ケアプランは注文書 138
⑯家族介護についての金銭給付 144
⑰公的年金の役割の大きさ 155
⑱国民年金と国民皆年金体制 157
⑲公的年金の一元化 160
⑳基礎年金と所得再分配 163
㉑国民年金の空洞化 163
㉒第3 号被保険者問題 166
㉓パート勤めの人への厚生年金適用 168
㉔合意分割と3号分割 172
㉕基礎年金の税方式化 181
㉖20歳未満で障害者になった人 183
㉗年金と税制上の優遇措置 192
㉘産休.育休中の人の社会保障での扱い 207
㉙日本的雇用慣行の変化と雇用保険 208
㉚いわゆる「過労死」「過労自殺」と労災認定 220
㉛つぶれてしまった世界最古の保険組合 236
㉜映画「シッコ SiCKO」に見るアメリカの医療の問題 238
㉝社会保険の二面性とダイナミズム245
㉞北欧は福祉の理想郷? 重税国家の反面教師? 263
㉟分配の平等度を測る:ローレンツ曲線とジニ係数 276
㊱社会保障と経済 278
㊲「国民負担率」という議論は正しいか? 289
㊳社会保障と税の一体改革 293
㊴社会保障の国際協定 297詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
364||M89||Ma=12e
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社会保障の基礎をしっかり学べる良書。