東南アジアの歴史 -- 人・物・文化の交流史 新版 (有斐閣アルマ Interest)
- 有斐閣 (2019年12月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641221390
作品紹介・あらすじ
東南アジア地域内外の交流関係を通史で綴る入門書新版化。歴史的交流が盛んな中国との新たな関係性模索の様子や,各国の民主化進展の実情と立ちはだかる問題などの現代的テーマを新たに追加した。変化し続ける東南アジアの展望を考える際にも活用できる1冊。【世界に出会う各国=地域史】シリーズ。
感想・レビュー・書評
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近現代史多めの通史。とにかく情報量が多く、完全に消化しきれたわけではないが。東南アジアの歴史叙述は、他律史観(外因史観)から自律史観へと変わってきたと冒頭で書かれている。
植民地化以降の変容と国家形成までの動きに興味を持った。近代的な領域(植民地)国家と中央集権的行政ネットワークの枠組みが受け入れられ、その前提の元で生まれた植民地ナショナリズム。教育については、現地官僚養成のための中等〜高等教育のみならず、比や蘭での初等教育、識字率向上も記述されている。
また日本の軍政下の緬で、タキン党系の若い世代が統治経験を積むなど、「(日本軍の占領が)本来の意図とはかけ離れて、ビルマ人ナショナリストの世代交代を劇的に促した」とある。印尼では日本の統制下でのナショナリストとの協力や、後に対蘭独立戦争に加わる現地兵士の軍事訓練が記述されている。逆向きの動きでは、星馬での日本軍占領後の華僑抑圧が、後にマレー人と華僑との間の分離を深めたこと。自律史観であっても、これら外部勢力が変化の触媒となったことまでは否定できないだろう。
ただ、戦後も国民国家がスムーズに成立したわけでもない。1950年代末から60年代前半に植民地体制は最終的清算の時期を迎えたが、国内の辺境部や少数派の扱いなどを巡り、却って国内外と国家間紛争を頻発させた、とある。 -
東2法経図・6F開架:223A/Ki54t//K