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- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642058100
感想・レビュー・書評
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徳川将軍直属の家臣である旗本・御家人。彼らの就職口は少なく、自身の家柄や人脈などを駆使してポストを争った。幕府はいかにして、彼らを職に就けようとしたのか。出世を図る武士の姿と幕府の人事システムに迫る。(2015年刊)
・江戸幕府の人事政策ープロローグ
・就職難の始まり
・移りゆく人事政策
・組織を改革した男
・立身出世を目指した男たち
・一つの職に異なる存在
・人事の本質ーエピローグ
・あとがき
・参考文献
本書を読むと、舘林家(綱吉)、甲府家(家宣)を幕府に吸収したことにより、旗本御家人が増え、役職に就けないものが出たことが分かる。これに対し、綱吉期は、御家人に家格(譜代、抱席)を設けることにより、吉宗期は、御家人の旗本への昇進を制限することにより、対応しようとする。役職に家格を導入することは、譜代層の優遇につながるp34。また、昇進を制限することは、もとからの旗本を優遇することにつながった。(人材登用に努めたとされる吉宗がこのような政策をおこなったことは意外な感じがしたp29)
幕府の人材登用において、小普請支配の役割は、有能な人材を推薦することという見方は、目から鱗であったp57が、定信期には足高の制がうまく機能してなかったというのも興味深い。(足高の負担を減らすため、逆に家録の少ないものからの人材登用が進まなかったというp59)
p90では、小普請組を改革した男として、森山孝盛について言及している。
幕府御家人の人材登用のシステムが分かりやすく解説されており興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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