- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642063241
作品紹介・あらすじ
戦国時代における民衆の力と信仰心の象徴とされる一向一揆と石山合戦。その真の姿とは。北陸地方での戦国大名との戦いから、織田信長との全面戦争へ繋がる歴史過程を描き、江戸時代に創られた「一向一揆」像の謎に迫る。
感想・レビュー・書評
-
近世以降に成立し通説化した伝承から距離を置き、戦国時代における一向一揆と本願寺教団の実像を探る内容。加賀における政治展開と支配の実情、畿内権力と連動する教団方針の変化、石山合戦の段階的諸相など興味深い点が多かった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ダラダラ読んだので内容が入ってないが
権力に抗った宗教集団だという認識から
戦の時代を抗い生き延びる為に「時には」
武器を持つ選択をするときに、組織とし
ての寺院が必要であった・・・守護大名
と別系統で進化したという捉え方の上で
戦国大名の栄枯盛衰を、当時の状況から
推し量る事で理解が進む(´・ω・`) -
一向一揆と言えば、民主革命の走りみたいな見方をしてしまうが、実際には地元の守護の抗争(加賀の富樫家とか)だったり、京都の政治抗争に巻き込まれたりと、実際には既存の支配層とそれなりに結びついていたり、と。加賀はかなりの期間、本願寺が守護のように幕府にも認められていたが、大和の興福寺のことを考えれば、画期というわけでもない。信者に庶民が多かったのと、ボトムアップ的な組織だったのが、従来の支配層とは異なるのかもしれないね。
予想したよりも面白かったな。 -
石山合戦が、当時の社会情勢の中でどのような位置づけのものだったのかがよくわかる良書でした。
-
内容は同シリーズの13の信長の巻と多く被るところがありやや残念
この本も一冊の書籍としては優れた考察に満ちてはいるのですが -
本願寺法主の強力な権威・統制の下で死を恐れない戦闘的な反権力・反体制宗教集団という一向一揆の通念を近世に形成された虚像として否定。戦国期の本願寺の武力蜂起は足利幕府や大名間の政治抗争に規定されていたこと、本願寺と門徒の関係が上意下達的なものではなく、在地門徒集団の合議・衆議が意思決定を左右したこと、一揆の結束力・動員力・自治力は近世の真宗教団にも受け継がれたことなどを明らかにしている。